臨床工学技士の国家試験合格率は?合格率は高い?低い?国家試験の勉強方法は?

臨床工学技士を目指す場合は、国家試験に合格し、国家資格を取得する必要があります。この臨床工学技士国家試験は、毎年3月の第一日曜日に開催され、180問出題されたうちの108点(全体の6割)で合格となるといわれています。2022年で35回目を迎えたこの試験ですが、どのように勉強していけば合格することができるのでしょうか。今回は、臨床工学技士を目指す人へ試験の合格率と勉強方法について説明します。

臨床工学技士国家試験の合格率と効率的な勉強方法とは?

まず、臨床工学技士国家試験の合格率は2022年現在は、80.5%となっており、近年の傾向ですと合格率は80%程度でしょう。しかし、これは全体数であり、新卒のみに限定するとこの数値よりも合格率が高くなります。また、学校別の合格率はさらに高い数値になっており、90%超えは当然で中には100%もあるといったところでしょうか。この数値の落とし穴は、成績が悪い学生はそもそも受験させられないという点です。その結果合格率が高い傾向にあります。まずは、国家試験の勉強方法の前に受験資格である卒業見込みを得られるように努力しましょう。なお、私の出身大学の統計では、新卒で受験し不合格となった場合、次の受験での合格率は半分以下になるという結果が出ているため、一発合格を目指しましょう。では、どのように試験勉強をしていけばいいのかという疑問を解決するために、私が勉強してきた内容を分野別にお伝えしていきます。

ちなみに私は、第34回の臨床工学技士国家試験に合格し、正答率は8割ほどの150点前後で合格しました。(大学での模範解答を参考にした結果)

1つ目は、医学概論、臨床医学総論についてです。

この分野は国家試験で合格するために重要な分野の一つとなっており、午前午後ともに最初の20問程度がこの問題ですので、ここで得点を稼げるかどうかでモチベーションにも関わってきます。結論から申し上げますとこの分野は一番苦労しました。大学や専門学校のカリキュラムにもよりますが、この分野は1年次や2年次に完結しており、国家試験を勉強し始める段階ではほとんど忘れているという場合が多いです。ではどのように勉強すればよいのかというと、体の部位ごとに病名を上げていき、疾患の原因と症状をまとめていくことです。例えば、腎不全ですと、腎臓が機能しなくなることによってさまざまな症状が生じるのですが、それがどのような症状なのか、また、腎不全はなぜ起こるのかということについてフロー図を用いてまとめていきました。この腎不全について理解できると透析分野でも生かせることができるためぜひ試してみてください。しかし、全てを網羅することはできないという方もいるため、国家試験でよく聞く疾患を中心に行ってみてください。それも難しいという方は心臓、肺、腎臓を3つの部位を重点的に行ってください。この3つの部位については国家試験で必ず複数出題されますので頑張ってください。このほかにもホルモン分泌とホルモンの影響を受ける疾患についてもよく出題されますので参考にしてください。

2つ目は医用電気電子工学についてです。

この分野も国家試験で合格するために重要な分野の一つとなっており、問題数が多く出題されます。この分野が苦手な方が多く、ここを捨てて他で得点を稼ぐ方が多いですが、私はこの分野で得点を稼いでいました。なぜなら、この分野は公式を覚えるだけでほとんどの問題を解けるのに覚える式は5,6個で済むからです。最悪公式を適当に当てはめていき、選択肢にある数値を導き出すという荒業も可能です。ですが、この分野を得意になるためには公式に頼るのではなく、公式を導き出す方法を学ぶことが有効です。特に、出題傾向の高いオペアンプの問題ですが、主に4種類の回路があり、それぞれに公式がありますが、多少形が変化し、求める場所が異なると公式が使えなくなり、また式を覚える必要があります。式を電位差から算出するということです。今回その方法については割愛させていただきますが、この算出ができるようになればこの分野はあなたの得点源になることは間違いないです。

3つ目は、医用機械工学です。

この分野は主に電気系統以外の高校物理です。国家試験だから難しいというわけではなく、物理を学んだ高校3年生ならほぼ網羅できる内容となっています。また、問題傾向も同じような感じですので、苦手意識を持たず、解き方を学んでいくことが重要です。なお、個人的には国家試験対策ですが、高校時代の物理の教科書が最もわかりやすい参考書でした。

4つ目は生体物性材料工学です。

この分野は医用材料について問われる部分で、暗記分野です。考えて問題を解くというよりも知っているか知らないかという問題が多い傾向にあります。私はポケットレビュー帳などを参考に暗記しました。

5つ目は生体機能代行装置学です。

この分野も国家試験で合格するために重要な分野の一つとなっており、人工呼吸器、人工心肺装置、人工透析装置の3つの機器についての内容です。この分野については臨床実習を終えてから本格的に勉強しましょう。個人的に実習前と実習後で印象が最も変わる分野です。正直この分野を網羅することが最も卒業後役立つと思います。そのため、実習前は他の分野を勉強し、実習後に勉強しましょう。

6つ目は医用治療機器学、生体計測装置学です。

この分野は暗記科目ですが、学内の実習でお目にかかる場面も多い機器のため、比較的イメージしやすいと思います。そのため、ポケットレビュー帳などを参考に暗記していき、プラスでイメージしていくことでさらに暗記しやすくなると思います。

7つ目は医用機器安全管理学です。

この分野は問題数が以外に多い科目であるにも関わらず、毎年よく似た問題が出題される分野となっており、私もこの分野だけは一度も正答率6割を下回ったことはありません。覚える内容は多いのですが、一度覚えると似た問題ばかり出題されるため、一番得点を伸ばしやすい分野であると思います。

まとめ

以上、7つの分野とそれぞれの勉強方法について説明しました。今回は軽く説明させていただきましたが、特に重要といっている3つの分野は問題数が多く、この3つの分野で全て6割を取れればほぼ確実に6割取れているという結果もあります。得点が伸びない方はまずこの3分野で何割取れているのかを確認しましょう。