臨床工学技士を目指す人必見!臨床工学技士国家試験の合格率と国家試験の対策や勉強方法を解説②

国家試験まで1年を切ったけど、「勉強の仕方がわからない!」「今の勉強方法で本当に合格できるのか不安…」と悩みを持った臨床工学技士の大学や、養成校へ通っている方は多いと思います。また、これから臨床工学技士になるため、進学しようと考えている方の中にも、国家資格を取得できるのだろかと、不安を感じているのではないでしょうか。筆者は、養成校に通い、8年前に国家試験を受験し合格しました。今回は、その時の勉強法についてご紹介します。

臨床工学技士国家試験の合格率と試験について

勉強法について紹介する前に、国家試験について簡単に説明します。試験は毎年3月上旬におこなわれています。午前と午後各90問ずつ、それぞれ2時間30分と時間が割り振られています。合格基準は180点満点のうち、約6割となっています。合格率は、直近の第35回国家試験(2022年3月実施)では、受験者数2603名のうち合格者数2096名(80.5%)と高い合格率でした。過去の合格率をみても、70~80%といった高い合格率であるため、きちんと勉強していれば、資格取得は可能な試験と言えるでしょう。

勉強方法

ここからは、学校の授業の他に国家試験に向けて合格するための勉強法を紹介します。

臨床実習がカギ

臨床工学技士の臨床実習の期間は、医師や看護師に比べ、圧倒的に短いという現実があります。しかも養成校であれば3年生の受験まで1年を切った期間に実習をおこなうことになります(大学であれば3年次に実習をおこなう場合が多いです)。その期間は試験勉強をおこなう余裕はありません。学生として実際の医療現場を見ることができる、貴重な機会でもあるため、最大限に勉強に活用しましょう。授業で聞いてイメージできなかったことを、見たり触れたりできるチャンスだからです。分からないことは、積極的に実習先の臨床工学技士に聞いたり、見られるものはお願いして見せてもらったりすることが大切です。頭の中で映像の記憶として残しておくことが、今後勉強する上で役に立ちます。文字だけ見て、覚えられなくても、実際に見てみるとイメージしやすくなった経験はないでしょうか。試験勉強する際にも、脳に定着しやすくなります。

過去問題はどの範囲までやればいいの?

国家試験の出題傾向は、少しずつ変化しています。そのため、あまりにも古いものを解いても、混乱の原因になります。多くても、直近10年分の過去問を解くのがおすすめです。国家試験問題解説集を使用するのがよいでしょう。筆者は先輩に10年分の問題解説集をもらったため、お金をかけずに問題集を得ることができました。普段から縦のつながりも大切にしておきたいです。

過去問題の自分流解説ノートを作成

過去問題を繰り返し解くことは大切ですが、大きな落とし穴があります。国家試験の問題は、選択式のため、何度も過去問題を解いていると、答えを番号で覚えてしまう可能性があるからです。本番の試験では、似ている問題はあっても、同じ問題は出題されません。過去問題を解いたら必ず解説を読んで、自分なりにどうしてその答えになるのかを導きだすことが大切になります。解説を、読むだけでは不十分であるのは、読んだだけで理解した気分になってしまうからです。自分の言葉で解説を作る作業ができれば、似たような問題が出たときにも対応することができます。時間に余裕があるのであれば、正解以外の回答についても調べておくと、より広い範囲の学習ができるでしょう。

自分の間違えやすい問題を知る

過去問題や模試を、何度も解いていると、自分のつまずくポイントに気が付くはずです。私は、間違えた問題にはマーカーをつけていました。間違えた問題の分野については、教科書や授業のノートを見返して再度学び直していました。間違えた問題については、忘れた頃にもう一度解きなおしてきちんと理解できているか確認するようにします。

先生や友人を頼る

分からなくて、何時間もひとりで考えてしまう人は多いと思います。実際筆者もそうでした。試験まで時間がない中、ひたすら考えている時間はもったいないです。せっかく周りに先生や友人がいるのだから積極的に頼りましょう。そのための学校です。友人であれば、後述しますが、教える側も勉強になるのでとてもよいことだと思います。分からないことを聞くことは、最初だけ少し恥ずかしいかもしれませんが、不合格になるくらいなら今すぐ聞きにいくべきです。少しの勇気で状況が、がらっと変わります。

わからない人に教えることも自分の勉強に

友人に教えていた人は、やはり試験でも高得点でした。教えるという行為は、自分自身がきちんと理解できていないとできないことです。筆者はどちらかというと、友人に頼るタイプでしたが、教えることができていれば、もっと理解することができていたのかな、と今になって思います。

試験前用、振り返りメモをつくる

試験当日に何を見返そうか悩む人も多いと思います。メモを作っておくことで、試験当日に慌てないためのお守りになります。分厚い教科書を何冊も持っていくよりはるかに効率よく復習ができます。メモの作り方は人それぞれですが、筆者の方法をご紹介します。試験の分野ごとに1枚ずつコピー用紙を用意し、よく間違えた問題や、覚えられなかった用語を書きます。分野ごとに1枚のコピー用紙にしたのは、あまり内容を詰め込みすぎないようにするためです。それによって本当に自分にとって必要なものは何であるのかを厳選して書くことができます。過去問題の解説ノートから内容を厳選するのもよい方法です。試験前は緊張します。多くの情報をみるとかえって混乱する場合があるので、最低限の情報にとどめておきましょう。

本番前にしないこと

勉強方法とは少し離れていますが、本番前にやらないで欲しいことがあります。振り返りメモ以外のことを、思い出して周りの友人に聞くことです。疑うのは非常に失礼ですが、その友人が言っていたことは正しいとは限りません。間違って覚えている可能性もあるのです。
たまたま、試験直前に聞いた内容が実際に試験に出て、聞いた通りに回答したら間違いだったという友人を見ています。お互いに悪気はないものの、気持ちはよくないですよね。試験前は、いろいろなことが気になってしまいますが、自分はこれをみると決めたなら気持ちはブレないように強い心で挑んでください。

まとめ

今回は臨床工学技士を目指す人へ試験の勉強方法についての一例を紹介しました。自分なりの勉強方法がきっとあると思いますが、少しでも参考になれば幸いです。無事国家試験に合格し、臨床工学技士として働けることを願っています。