透析クリニック勤務だった女性臨床工学技士が自身の経験から解説。私が就職失敗したと思った就職エピソード

私は、ある透析クリニックに勤めて2年足らずで辞めた女性技士です。原因は人間関係のトラブルでした。施設自体は個人的には良かったのですが…全くもって円満退職ではなかったため、今回は私の技士時代の話を“失敗した就職エピソード”としてお話しします!なるべくライトに書いていこうと思いますが、少しネガティブな内容となっておりますのであらかじめご了承ください。

透析クリニックに就職した理由

まず初めに、私が透析クリニックに就職した理由は、国家試験の模試の点数がなかなか伸びず、就職活動を国試後に行ったためです。国試後に就職活動をして4月入職することはもちろん可能ですが、やはりどうしても施設は限られてしまいます。私も当時は生命維持管理装置の操作や心カテに興味があったので病院に勤務したいと考えていたのですが、その他の業務も一通り経験をしたいと思っていたため、とりあえず透析業務を極めて透析の分野で即戦力になれるようになってから大きな病院に転職しようと考え透析クリニックに就職しました。

新人の私と先輩スタッフ

どの職種でもそうですが、向上心のある人とない人がいるかと思います。私はどちらかといえば前者の人間で、少しでも早くスキルを身につけてバリバリ仕事をしたかったので、先輩方にも積極的に質問をするタイプでした。幸い、そのクリニックに在籍していたスタッフのほとんどが、私と同じく向上心のある方たちだったので、割とすぐに受け入れてもらうことができました。看護師も技士も、皆さん基本的には優しく、分からないことも丁寧に説明してくださったり、アドバイスをくださったり、休憩時間には、他愛もない話をしてくれるような方々でした。ただ、ストレスを感じることも多々ありました。看護師さんの中には1年目の時は「新人にミスをされて余計な仕事を増やされたくない」という警戒心からか、よく嫌味や陰口を言われた記憶があります。元々、医療従事者の中には、そういった方が多いと聞いていたので、この業界では、当たり前にあることなんだと諦めるようにしていました。実際2年目から新しい新人の陰口を私にも漏らすようになっていたので、単純に新人が嫌いなんでしょうね。技士の中にも、癖の強いスタッフが数名いました。自分のミスを後輩や患者さんのせいにする人や余裕がなくなると周りに当たってきたり、スキンシップのつもりか分かりませんがボディータッチの多い男性技士なんかも…。不愉快なことはたくさんありましたが、耐えられない程ではなかったので気にしないようにしていました。今思えばこの頃から少しずつ精神を削られていたのかもしれませんね。

退職した理由と経緯

私が退職した理由は、同じ技士からの嫌がらせに精神を病み、上司に退職を勧められたためです。自分が抜けて嫌がらせをしてきた技士が残るのは非常に悔しかったですが、使い物にならない方を切り捨てるのはクリニックを回すために必要な判断だったと思います。衝突した相手はすごく自己中心的な方で、患者さんの好き嫌いが激しく、常に嫌いな患者さんの悪口を、言い強要してくるような人でした。私は患者さんとの関係は非常に良好だったので、それだけでも不愉快極まりなかったのですが、ある日患者さんに対して脅迫まがいなことを言ったのでさすがに良くないと思い指摘したことで、嫌がらせが始まりました。私のことは常に無視。業務連絡も伝えない。私に聞こえるように悪口を言う。私が休憩室に行くと、食事中でもご飯をしまってどこかに行ってしまい、空気を悪くするなんてことも多々ありました。そして数カ月後、限界が来て上司に促されるまま退職しました。今考えてもこんなことで心が折れてしまった自分が情けないですが、小さなストレスが、積もりに積もった結果だったんだろうなと思います。改めてストレスを溜め込むのは本当に良くないと痛感した出来事でした。

反省点

今回記事を作成するにあたり、当時を振り返ったことでいくつかの反省点が見受けられたので、今回は最も大事だと思った3点をご紹介します。自分の行動次第で今と違う未来もあったかと思うので、基本当たり前な事しか書いておりませんが、改めて確認していただければ幸いです。

反省点1つ目

『本人に直接言う前に上司に報告する』です。これは今考えなくても当前のことですよね…。当時、感情が先行してしまった自分に呆れてしまいますね。社会人の基礎「報連相」を守らなかった人間の末路がこれです。皆さんは「報連相」徹底してくださいね!

反省点2つ目

『こまめにリフレッシュ!ストレスを溜め込まない』です。当時の私は自分なら耐えられる!一人で解決できる!と過信しすぎていたように思います。また委員会などの資料作りで家でも仕事をしていることが多かったため、仕事とプライベートのメリハリが全くありませんでした。なので「働くだけでストレス!」くらいの気持ちで、仕事ばかりではなく、もっと息抜きに時間を割く努力をするべきだったと思いました。

反省点3つ目

『追いつめられる前にさっさと辞める』です。仕事を続けたいのに辞めるって?と疑問に思った方もいらっしゃるかと思います。理由は単純で自分が壊れてしまったら働くことさえできないからです。長く働き続けるためにも自分の状態を客観的に見て判断し、早めに見切りをつけることも自分を守るためにはものすごく重要だなと今回痛させられました。

まとめ

いかがだったでしょうか?この記事を最後まで読んでくださった方の中には「その程度のこと?」と思った人もいることでしょう。…私もそう思います(笑)ただ、当時は、その程度のことにも耐えられない程、精神が衰弱しきっていたんだと思います。今ではいい経験になったと思うようになりましたが、それでも当時を思い出して怖くなることが未だにあります。どんなに小さなことだろうと、深く傷が付いてしまえばその傷跡が消えることはないと思います。そしてこれは誰にでも起こり得ることです。私は臨床工学技士という仕事が好きですが、今後いつ復帰できるか…復帰自体できるのか分かりません。なので皆さんは少しでも長く働き続けられるよう、自分を大事にしてあげてください。私の経験や反省点が少しでもどなたかのお役に立つことを祈っております。