【臨床工学技士インタビュー】子どもらしい笑顔を取り戻したい!ローテーションで全業務習得できる東京都立小児総合医療センター

東京都立小児総合医療センター

当院は、2010年3月に、清瀬小児病院、八王子小児病院、梅ケ丘病院(精神科)、府中病院小児科が府中の「多摩メディカルキャンパス」の地に移転統合し開設されました。からだの病床359床に加えて、こころの病棟には202床の病床を有しています。

また総合病院の多摩総合医療センターと一つの構造物の中にあり、メディカルキャンパス内に神経病院、府中療育センターが近接していることが特徴です。

この病院の設立時に5つの運営理念が創られ、それを実行していくのが我々の使命です。

1 「こころ」と「からだ」を総合した医療の提供
2 子ども中心の医療の提供
3 東京都における小児医療の拠点
4 子どもの成長とともに歩む医療の提供
5 社会とともに創る医療の提供

今回は東京都立小児総合医療センター臨床工学技士室の吉田拓司(よしだ・たくじ)係長、14年目八木健輔(やぎ・けんすけ)主任、10年目宇山一輝(うやま・かずき)技士にお話をお伺いしました。

八木主任(左)・吉田係長(中)・宇山技士(右)

臨床工学技士を知ったきっかけ

八木主任八木主任

大学を探している時、雑誌の裏面に「バイオニクス」という学部の名前を発見して、どんな学部だろうと調べたのが臨床工学技士を知った最初でした。

医療も携わりたいと思っていましたし、工学も好きなので、臨床工学技士になろうと思いました。

 

宇山技士宇山技士

母は看護師、父はIT企業に勤めており、両親の影響で医療とITに興味がありました。

進学の際、医用生体工学科新設されるとのことで、元々興味があった医療分野でもあり、あまり聞きなれない臨床工学技士という仕事を調べ始めたのがきっかけです。

東京都立病院機構への入職

八木主任八木主任

小児医療に携わりたくて、東京都立小児総合医療センターに入職しました。

3年前主任に昇進したことを機に、広尾病院へ転勤しましたが、どうしても小児医療に携わりたかったので、希望して戻してもらいました。

 

宇山技士宇山技士

都立病院に入職して10年小児総合医療センターで働いています。

当時は多摩総合医療センターや墨東病院など9病院があり、色んな業務に携われる病院という事で選びました。

見学で伺ったほかの総合病院などと比較すると吉田係長や多職種との雰囲気も良く魅力的に感じました。

実際に、小児医療の業務にあたってみると大学で学んだ成人分野とは違う点が多く、入職当初はかなり不安がありました。

業務について

八木主任八木主任

スタッフ全員が業務全般を習得し、業務配分を決定します。

特に私は、NICUと透析室業務のまとめ役を担っています。

そのほか、リスクマネジメント委員会(多職種参加の委員会)、診療材料委員会(シリンジ、針、人工心肺や人工呼吸器の回路などの診療材料選定、コスト管理等)へ出席しています。

 

宇山技士宇山技士

業務は病棟業務・透析室業務・NICU・PICU業務・ペースメーカー業務・OPE室業務(人工心肺・心臓カテーテル検査)の中からローテーションで行っています。

火曜日・木曜日・金曜日は心臓外科手術が行われているので人工心肺業務に携わることが多いです。

一日の業務の流れ

定時 8:30~17:15
日当直 8:30~17:15(1勤務目)、17:15~1:30(2勤務目)、1:30~8:30(管理当直)
残業 20時間前後

八木主任 一日の業務

8:30 臨床工学室で当直から申送り
9:00 人工呼吸器ラウンド、回路交換段取り(使用期間、破損状況、汚れの目視などを行い交換)
11:00 お昼休憩
12:00 人工呼吸器の組み立て、回路交換、トラブル対応
14:00 各種委員会業務(主任業務)、後輩の育成、学会等活動etc
17:15 終業
残業 人工心肺業務、委員会業務

宇山技士 一日の業務

8:00 人工心肺の回路組み立て(30分前残業)
8:30 人工心肺準備
8:50 患者さん入室、麻酔挿管
10:30 手術開始
15:30 ポンプオフ
16:30  ICU帰室、術後カンファ
17:15 終業

小児医療のやりがい

八木主任八木主任

困ったことは相談できますし、多職種とのチームワークが良い環境で小児医療に携われています。

表情を読み取り辛い子どもの機微を、機械を通して察知できるようになると成長を感じます。子どもが愛おしく、子どもたちのために尽力できることがモチベーションです。

細かいことに気付けて、子どもが好きな人に適性のある業務だと思います。

 

宇山技士宇山技士

父親になってみてから、より強く感じている事なのですが、ECMOなどを使用しなければ救命できなかった患者さんが、病態がよくなり、PICUから病棟に移った子どもたちをみると、救命できて良かったなと思います。

将来的には、先輩のように、透析、人工心肺、ペースメーカーなど専門性のある業務を全てに対応できるジェネラリストになりたいです。

小児病院は優しい方が多く、職場に溶け込みやすくのびのびとした環境で仕事が出来ます。

 

新卒が4月に入職してきたら

吉田係長吉田係長

入職後、最初に覚えてもらうのは、人工呼吸器を中心とした医療機器の保守点検業務です。

当院の人工呼吸器は20種類以上あり、台数も約100台と多いため覚えることも多いのですが、先輩職員が習熟度に応じて丁寧に教えますので心配はいりません。

これをひと通り習得したのち、透析センターでの血液浄化業務、集中治療室業務、心臓カテーテル検査業務を順に経験していきます。

ここまでが入職後3~4年程度となります。

その後当直ローテーションに入ってもらうことになります。

最後に人工心肺業務の習得となります。1~2年かけて業務を習得したのち、主操作者として人工心肺を担当します。

ここまでの目安が入職後5~6年となります。

 

吉田係長吉田係長

当院の2024年1月時点における臨床工学技士の人員構成は次の通りです。常勤11+非常勤1の計12名です。男性9名、女性3名で、年代は20代3名、30代5名、40代3名、50代1名という構成です。

各業務には担当者を配置し、多職種との調整や指導・教育を行っています。

このほかに、新規採用者が働きやすい職場となるよう、チューター制度をとっています。新規採用者1名に対し先輩職員1名が付くことで、報告や連絡、相談がしやすい体制となっています。

また専門性の向上として、東京都立病院機構では、専門資格の取得に対して支援が行われています。

体外循環技術認定士や呼吸療法認定士などの取得にかかる費用を負担することで、高い専門性を持つ職員の確保につながっています。

また研究研修費を利用して学会発表にも力を入れています。

 

採用したい人材

吉田係長吉田係長

採用したい人材は、小児医療に興味を持っていただける方です。就職前に特別な準備も必要ありません。小児に限らず他職種で構成されるチームで仕事をすることになりますので、コミュニケーションは大切です。

当院は小児専門病院なので、成人とはまた違った知識や技術が習得できます。

また育成段階では基本的にすべての業務の習得を目指しますので、業務を固定化することはありません。

小児医療に興味があり、いろいろな業務を経験してみたいと思う方は是非一度見学にいらしてください。

 

取材協力

東京都立小児総合医療センター 臨床工学技士室
〒183-8561 東京都府中市武蔵台2丁目8−29 Tel.042-300-5111
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