臨床工学技士がこっそり教える!臨床工学技士になって辛かった事。仕事内容や院内での出来事

臨床工学技士は、医療機器を保守点検することが仕事で、医療従事者の中でも新しい資格です。新しい資格故に引き起こされた事例を含めてご紹介していきます。

臨床工学技士になって辛かったエピソード4選

私が臨床工学技士になって辛かったエピソードは以下の4つです。

・何でも屋と思われている
・院内での立場が低い
・透析での穿刺ミス
・呼び出し待機で予定が合わない

順番に説明していきます。

何でも屋と思われている

臨床工学技士は医療機器の保守管理、使用が主な業務です。しかし、医療機器とは全く関係ない物が壊れたと言って持ち込まれたり、呼び出されたりします。私が過去に経験した本来の仕事と無関係な修理依頼はこちらです。

・自動ドア
・ホッチキス
・穴あけパンチ
・プリンター
・鉛筆削り
・収納棚
・ペンライト

上記、全て看護師からの依頼であり、臨床工学技士を院内の何でも屋と思っている看護師は非常に多いです。私を含めて頼まれたら断らない臨床工学技士も多いです。仕事柄、物を直すことになれているので、頼まれるとつい直してしまうのは職業病とも言えます。頼まれたら断らない臨床工学技士が多いから、どこの病院でも何でも屋として扱われるのかもしれません。

院内での立場が低い

臨床工学技士は病院の中でも一番新しくできた職種です。病院内の職種と作られた年を比較したものがこちらです。

・臨床工学技士 昭和63年
・医師 昭和23年
・看護師 昭和23年
・薬剤師 昭和35年
・放射線技師 昭和26年
・検査技師 昭和33年
・理学療法士/作業療法士 昭和40年

臨床工学技士は医療従事者の中で最も新しい資格です。そのため、院内で数も少なく業務内容が確立されていない病院も少なくありません。所属長が臨床工学技士ではなく事務長だったり、病室や倉庫を急遽部屋にして使っていたりする病院もよく見かけます。病院内での立場も弱く、看護部長や師長に頼まれごとをされると断れないことも多いです。私が過去に経験した看護部からの頼まれごとはこちらです。
・今まで看護部が行っていた在庫チェックの代行
・外来での検査の準備
上記は、臨床工学技士がしなければならない仕事ではありませんが、病院内での関わり合いの強い看護部には強く反発も出来ません。数は力ですので、病院内で看護師に勝つことは難しく、臨床工学技士の立場が弱いのはしばらく続くでしょう。

透析での穿刺ミス

臨床工学技士と切っても切れない関係にある、透析に関する辛いエピソードです。病院によっては臨床工学技士が穿刺をしない決まりになっているところもありますが、多くの施設では医師や看護師と同じく臨床工学技士も穿刺を行います。透析患者は2日1回透析を行わなければならないため、透析を担当している間は週に3回同じ患者と顔を合わせます。透析患者によっては穿刺に失敗するとひどく怒り、「穿刺に来るな」と怒鳴られ、ショックを受けることも珍しくありません。怒られた患者への穿刺は二度と行きたくないと思っても、2日後には顔を合わさなくてはならないのです。場合によっては、穿刺しないといけないこともあります。以前、穿刺を失敗された患者は当然嫌な顔をし、臨床工学技士は小言を言われながら穿刺を行わなければいけません。非常に嫌な気分になりますが、業務なので仕方ありませんが、透析に関わる限り、この問題は常に付いて回りますので覚悟が必要です。

呼び出し待機で予定が合わない

救急病院で働く臨床工学技士は、呼び出し待機で遠出できない日が月に数日あります。友人から遊びの誘いがあっても、呼び出し担当の日は遊ぶことができません。土日仕事や結婚している友人が多いと、予定を合わせることが難しく、予定が合いそうだった日が呼び出し待機なんてこともあります。同期や仲のいい先輩にお願いすれば代わってくれることもありますが、土日は予定を入れている事も多く、いつも代わってくれるわけではありません。救急病院で働く限り、呼び出しで休日の時間が拘束される覚悟をしておきましょう。

辛いことがない仕事はない

今回は臨床工学技士の辛かったエピソードについてお話しました。仕事で辛いことがあるのは臨床工学技士に限ったことではありません。私自身、臨床工学技士の前は別の仕事をしていましたが、その仕事でも出勤したくないと思うほど辛いことはありました。しかし、辛いことが起きるたびに仕事を止めていては、何の仕事もできなくなってしまいます。辛いことは慣れや、考え方を変えると乗り越えられます。3年たっても辛くてしんどい、全然楽にならないというのなら転職を視野に入れてみるのもいいでしょう。まずは3年頑張ってみましょう。