臨床工学技士として働く前にやっておいたほうが良いことを先輩、臨床工学技士が解説

臨床工学技士を目指している学生さんの中には、早く病院で働きたい、臨床現場に出たいという方もいると思います。私も早く現場に出たいと思っていたのですが、学生時代にやっておけばよかったと後悔することが多々あります。今回は、臨床工学技士になる前にやっておくと役立つことについて説明します。

国家試験の勉強

1つ目は国家試験の勉強です。これをしていない学生さんはいないと思いますが、早めにやっておくことで、先の内容を学生時代に行うことができます。臨床工学技士になる前にやっておくべきこととして最も重要なことは国家試験に合格することですので、そこだけはぶれずに努力しましょう。

業務の勉強

2つ目は、自分のやりたい業務の勉強です。この基礎部分については国家試験の勉強で十分補うことができます。しかし、実際に現場にでてみると全く通用しないことが多いです。なぜなら、国家試験の内容はあくまで基礎であって、実際の現場は応用された部分が多いからです。臨床実習に、参加した学生さんならわかるかも知れませんが、国家試験のために勉強した内容では、理解できないことも、多くあると思います。そのため、国家試験より実践的な内容についての勉強が必要です。ここで自分のやりたい業務であれば、モチベーションも上がるのでおすすめです。自分のやりたい業務がない場合や、就職先でどの業務をやるのかわからない場合は、透析分野の勉強をしておくのがおすすめです。この分野は、ほとんどの臨床工学技士が通る道ですので、やっておいて損はありません。私が、しておけばよかったと思うことはオンラインHDF(血液透析ろ過)についてです。HD(血液透析)については、授業や国家試験対策の際にもよく出てきますが、オンラインHDFについては、国家試験にほとんど出題されないため、授業でも内容を深堀しないです。しかし、現場でオンラインHDFを使用している場合は多々あります。HDFの場合はヘモダイアフィルターを使用しているため、HDで使用されるダイアライザーとは異なるため注意が必要です。このほかにも、異なる点やHDに比べての利点や特徴があるため、知っておいて損はないです。このほかにもCHDF(持続的血液ろ過透析)について知っておくと便利です。

資格の取得

3つ目は、資格の取得です。これは私が学生時代にとても後悔したことですが、資格は、取っておくべきでした。当時、国家試験の勉強に余裕があったため、心電図の勉強を行っていました。そして、現場に出た際に心電図検定という検定の存在を知りました。学生時代から心電図の勉強をしており、興味もあったため受験しようと決断したのですが、就職後に取ろうと思っていたMDICの試験日と日程が全く同じ日であったため、受験することができませんでした。このほかにも、就職後にスキルアップを目的とし、様々な資格を取得したかったのですが、日程の都合上、年1回の受験しかできませんでした。学生時代から資格を取得したいという向上心があれば取得できたのですが、勉強だけして満足していたことを今でも後悔しています。余裕がある方は、就職にも役立ちますので是非資格に挑戦してみてください。なお、学生さんにおすすめなのは第1種ME技術実力検定試験です。私も取得を目指したのですが、大学4年次の時にコロナの影響で中止となってしまったため、就職後に受験しているのですが、勉強時間が圧倒的に足りていないため、受けているだけ状態になっています。ですので、学生時代に取得していると就職にも非常に有効なので、おすすめです。難易度が高すぎるという方は、私が受験しておけばよかったと後悔している心電図検定や医療情報技師の資格をおすすめします。心電図検定は合格率も高く、現場に出てからどの分野に進んでも必ず目にするため、取得しておいて損はないです。しかし、日程が国家試験の2か月前であることは注意しておいてください。また、医療情報技師は先ほど説明した第1種ME技術実力検定試験より難易度は低く、日程も夏頃なので、おすすめです。また、医療現場も電子化が進んでいるため、臨床工学技士として取得しておいて損はありません。

まとめ

臨床工学技士になる前にやっておくと役立つことについて説明しました。臨床工学技士を目指す学生に1番大切なことは国家試験に合格することです。やりたい分野の勉強も資格の取得も大切ですし、就職後に必ず役立ちます。しかし、国家試験対策には、ほとんどなりませんし、優先すべき内容でもありません。そのため、国家試験の模試でも点数が取れて当日も余裕があるという方のみが取り組んでみてください。なお、私は国家試験に受かると思っていたため毎週遊んでいたのですが、今思うとその行動について後悔していません。あの頃遊んでいた友人とは今でも会いますし、臨床工学技士を目指す学生さんにとっては最後の学生生活となると思います。ここまで自由に時間が取れることは今後ないと思って問題ないので、勉強することも大切ですが、後悔のない選択をしましょう。