Q1.学生のインターンシップについて
[質問者]みかんさん(学生)
四年制大学の臨床工学科に通う1年生です。早期インターンで1年の夏、冬、2年生の春にはどこかの病院でインターンシップに参加したいと考えています。2年生の夏冬はME2種、1種の資格に専念したいため早めに病院でのインターン経験をしたいです。
そこで1年生のうちからインターンシップができる病院を探しているのですが、1年生でもインターンシップに参加できるのでしょうか?
A1.高倉技士(亀田総合病院)の回答
短期見学会はあるのですが、インターンシップができる病院の情報はもちあわせていません。
もしかしたら貴学に附属病院があるのならばインターンシップを受け入れているかもしれません。
残念ながら1、2年生の知識では臨床現場で教育するほどまで人員に余裕がないと思います。現状では病院にて学生実習を受け入れるだけでも精一杯になっております。
当院では2日程度は受け入れ可能ですが、学生実習と重複しない事が条件です。ちなみに夏休み期間中はすでに6名の臨床実習生を受け入れているのが現状です。
A1.北本技師(聖隷浜松病院)の回答
病院の施設でインターンシップが進んでいるのは都心の方でしょうか?
私自身は臨床工学技士が近隣病院でインターンシップが行える施設は知りません。ただ、実施可能な施設があるのであれば、積極的に参加することで必ず自分のためになり、考え方がより高い位置となると思います。
その結果、学校の成績やME2種、1種の合格率も向上すると考えます。また、希望勤務施設であれば自分を売り込むこともできると考えます。また、もし希望施設で無くても、他施設の方法を知るよい機会になると考えます。
Q2.手術室業務について
[質問者]ぴーやさん(臨床工学技士)
手術室業務について質問です。
現在、当院の手術室業務では体外循環関連は別枠として、麻酔器点検、ダヴィンチセッティング、脳外、耳鼻科ナビゲーション、鏡視下オペセッティング、カメラ類滅菌前点検がメインの内容になっているのですが、今後業務拡大を考えています。
麻酔器補助や器械出しは看護師側からNGが出ていて、スコープオペレーターは去年よりスタートしました。
これをやったらとてもよかった!病院経営の手助けになっている!と感じた業務はありますか?
A2.高倉技士(亀田総合病院)の回答
手術台動作、漏れや電流など、無影灯、電気メス(REM機能)など、器械出しは基本的に臨床工学技士が行う業務ではないと思っていますので看護師にお任せするのが一番だと思います。
診療報酬と医療機器の関係を調査する。超音波検査をハンディー型で行うが記録記載がなければ診療報酬は取れません。DPCだからと言ってゼロ点請求の実績を積み上げないとDPC係数が下がることになります。
この辺りは誰も調査していませんので経営手助けになると思います。機器管理が出来ていれば無駄な機器が減らせると思います。全ては無駄を減らすことから始めては如何でしょうか。
A2.北本技師(聖隷浜松病院)の回答
病院の経営面というところでは、臨床工学技士が参入することで業務が安定する。効率が向上する。参入した業務(当院では整形や眼科の診療科自身)が拡大するという効果があると考えます。
例えば麻酔補助は麻酔科医の就労環境を改善し、手術室の稼働率を改善することで、手術室に関わる医師、看護師、CE等全員が少しでも早く帰ることができます(働き方改革=残業削減)。
これは器械出し業務でも同等の効果があります。
当院はCEが得意とする整形外科と眼科分野すべてをCEが実施します。これにより手術室の稼働率が格段に向上。さらに手術を実施する時間ができる。看護師も教育を削減でき効率化。医師もCEが専門性高く対応してくれるので手技が安定し患者にも大きなメリットがあります。
スコープオペレーターは実施した時間がそのまま医師の働き方改革になるので医師の人権費の有効利用が可能になります。是非、参入前と参入後でデータを取り示していきましょう。
Q3.病院の上司について
[質問者]ぬこさん(臨床工学技士)
病院の上司についてです。
臨床工学技士以外に学位も資格もありません。学会の発表の文化もなく、業務拡大もありません。
自分は自分で変えて行こうと思いますが、室長・技士長など、部門のトップに立つ人は、勤務年数以外にも評価されるべき項目があるかと思うのですが、両室長は、どのような点を買われて、室長に任命されましたか?また、どのようなことを病院から期待されていますか?何が出来る人が育ったら、後任に道を譲ろうと思えますか?
A3.高倉技士(亀田総合病院)の回答
「自分は自分で変えて行こうと」いいですね。
組織や他人を変えるより楽です。私も同じようにしています。組織や他人を変えるエネルギがあるのなら自分に使うことが良いと思います。それに組織、他人は簡単には変わりません。自分の納得できる範囲で他人に合わせて付き合えばよいのではと思います。
室長ならば常に変革をする気持ちを持っていること。現状維持の組織では何一つ魅力がありません。
室長評価は関係する組織から評価を取ります。何事にも対応が速い事は好印象です。またME組織が1枚岩になっているかも大切な要素です。部下を大切にしているか、不安や不満にも耳を傾けているかが評価項目にもなります。
室長は経営にも参加することが必要です。常に個々の医療機器の稼働状況を分析しているかも大事です。これらデータを基に機器購入についてもできるだけ無駄をなくすように購入台数をコントロールして無駄な機器は買わない。本体購入時には消耗品の消費量とその単価を比較検討する。機能が同じであればどのメーカでも医療機器としての承認を得ているので安全面では問題はありません。今までA社だから次もA社と決めつけるのは問題ですね。
病院設備にも関与する事をお勧めします。増改築の時には医ガス、電気、空調などのアドバイスは臨床工学技士が行うべきです。
室長任命されたときには時は部下2名でした。病院からの期待は有りませんでした。MEの存在も知らなかったからです。逆にME室を国内でも有数のME室を作るので独立させてほしいと願い出ました。
後任は経営者・人事部長が決めます。「何が出来る人が育ったら」ではなく、積極的に何かに取組んでいる人を常に人事部は情報収集しています。経験だけでは昇格させません。室長として大変な仕事は、技士同士の人間関係のトラブル、他部署とのいざこざ解決、インシデント報告書の確認と対策、そして毎年の事ですが新人職員を集めることですね。
A3.北本技師(聖隷浜松病院)の回答
個人的な考えですが、部門のトップに立つ人は、常に改善と職場の発展、業務拡大を続けられる人がなるべきと考えます。
病院からの期待以上に、もはや病院から言われるのでは無く、自分から発信し変化を恐れず進み続けられる人。部門のトップに立つ人は、方向性をしっかり持ち、ぶれること無く進める人。病院幹部が実施してほしいと思える内容を提示し進められる方(相手を説得する能力ある人)が適任かと思います。
そして新しい発想を改善になると思い、スタッフと協働し職場に次々と取り入れる方が人選されると良いかと考えます。後任にはその文化が継承されているリーダーが充分育ったのであれば譲ることも重要かと思います。また、自分が改善や業務拡大、新たな創造ができないのであれば即退きます。
Q4.医療機器安全管理体制・運用について
[質問者]キカイダーさん(臨床工学技士)
医療機器安全管理体制、運用について教えてください。
医療機器安全管理に興味のあるCEへのチュートリアル的な業務から、情報の吸上げや、PDCA、アップデート、教育体制など。
A4.高倉技士(亀田総合病院)の回答
医療機器管理に興味を示す者は少ないです。その中で機器管理に興味を示す技士がいれば管理の必要性、安全教育、機器稼働率やダウンタイムなどの情報から機器買替の参考にするなど業務は多いです。よって若手指導も熱が入りますね。基本はISO9001をまねて業務マニュアルを作るのも良いと思います。
PDCAはISOで求められている管理手法です。色々なデータ分析、何を次に変えて行くかを検討して、常にプランの見直しをすることが必要です。
認証を得なくても真似るだけでも違います。
医療機器安全管理は日々の稼働状況やインシデントレポートから情報を吸い上げることができますか? そこから全ては始まります。特にインシデントを見ているとその病院の弱いところが見えてきます。その強化には教育が一番だと思います。
教育は日本臨床工学技士会開催の各種講習会への参加がお勧めです。
A4.北本技師(聖隷浜松病院)の回答
例えば医療機器の保守点検での定期点検項目が漏れ電流測定など項目が変化することがあります。
その際は病棟担当リーダーや医療機器保守に詳しいスタッフが集まり、定期点検方法のブラッシュアップを行います。マニュアルを作成し、その上で全体への説明会を実施し浸透させていく流れで対応しています。
ただ、項目が変更された意味を充分伝えないと必要性が理解されず中途半端になったり、進まないこともあります。