Q1.スーパーICU施設における臨床工学技士の配置について
[質問者]志知純慈さん(臨床工学技士)
重傷者対応体制強化加算(スーパーICU)にて臨床工学技士の専従が要項に求められていますが、算定をされている施設では臨床工学技士をどう配置しているか。
専従でどのような業務を行っているか。
専従の場合ICU業務以外は行っていないのか。
専従スタッフの勤務体制(専従者の夜勤2交替制なのか)はどうなっているか。
A1.北本技師(聖隷浜松病院)の回答
専従の常勤臨床工学技士1名以上(救命救急2・4またはICUを届けている病院での5年以上の実務経験)の配置とICUに従事する看護職員への研修の講師をすることが条件となっています。
救命救急体制加算やICU加算とは別でスーパーICU加算が付きますが、おそらく上記の条件を満たしてたスタッフ1名が配置登録されていれば点数の算定は可能と考えます。
具体的な業務は、入院患者のうち15%以上がECMO、IMPELLA、IABP、補助人工心臓、CHDF(持続的血液濾過透析)、ICP(頭蓋内圧)測定など特殊な治療を行っていることが条件となること。当然、それらの患者は人工呼吸器の使用率も高くなります。またCOVID-19では腹臥位療法、NHF、気管支鏡など、治療介助など多くの業務を担当することになります。
専従は他の業務を行ってはダメなのかという質問がよくあります。健発 0801第 16号に専任と専従の解説がありましたので抜粋します。
『専任とは当該診療の実施を専ら担当していることをいう。この場合において、「専ら担当している」とは、その他診療を兼任していても差し支えないものとする。ただし、その就業時間の少なくとも5割以上、当該診療に従事している必要があるものとする。専従とは当該診療の実施日において、当該診療に専ら従事していることをいう。この場合において、「専ら従事している」とは、その就業時間の少なくとも8割以上、当該診療に従事していることをいう。』
この文面から解釈すると2割までは他の業務に従事しても良いことになります。当院はICUを日勤と夜勤の2交代制で対応しています。
A1.高倉技士(亀田総合病院)の回答
A301特定集中治療加算
専従ではなく専任です。
専任で解釈すると、他の業務を行っていても良いということです。施設規準でも専任の臨床工学技士が、常時、院内に勤務している。となっているので貴院に合った配置を検討してくだい。
問:専任の臨床工学技士の配置について「常時、院内に勤務」とあるが、当直体制でも可能か。あるいは夜勤体制による対応が必要か。
答:当直体制による対応が必要である。ただし、集中治療室の患者の状態に応じて、夜勤体制であることが望ましい。
2016.3.31施設規準等より
Q2.学会発表をしたいが、どのようにすれば演題発表が出来るか
[質問者]匿名希望さん(臨床工学技士)
学会発表をしたいのですが、各学会、どのようにすれば、演題発表が出来るのでしょうか。
院内で、学会発表をしたことがある人がおらず、どのような手続きをすればいいのか、分かりません。
A2.北本技師(聖隷浜松病院)の回答
発表のテーマは身近な物から始めると良いと思います。
病院内の先輩CEで発表経験が無い際は仲の良い医師に確認してはどうでしょうか。近くに相談できる医師が居ない際は、自身のCE養成校恩師や同期・先輩、各都道府県の技士会で交流した方々など広く横の繋がりを活用してはどうでしょうか。
形式的なお話をすると、発表の内容によりますが、患者のデータを使用する際は、臨床研究審査委員会の許可がでれば発表が行えます。
申請書類は各施設により異なりますが、後向き研究であれば、研究計画書、研究審査申請書、情報公開及び研究協力など病院の規定に従い記載を行います。
前向き研修では上記に加え、患者への説明と同意書の取得が必要となります。
A2.高倉技士(亀田総合病院)の回答
基本的には学会会員にならなければなりません。
主演者は会員であることが求められていいます。大きな学会であれば毎年学術大会を行っています。早ければ半年前から演題募集をしているのでHP確認してください(閲覧は非会員でもOK)。
今は何処の学会でもHPから登録する環境です。演題登録後に審査があり発表内容に問題なければ発表日時が通知されてきます。一般演題であれば発表時間7分、質疑応答3分です。時間厳守になります。なお詳細は学会案内で確認してください。
学会と言っても非常の多いので迷っているのなら、手始めに日本臨床工学技士会の「日本臨床工学会」にエントリーしてみてはいかがでしょうか。まだ演題募集は開始されていませんが、例年だと11月末登録締め切りで行っていますが、「第34回日本臨床工学会」のHPが立ち上がっているので確認してください。※
※第34回日本臨床工学会及び令和6年度公益社団法人日本臨床工学技士会総会(外部リンク)
Q3.医療機器管理業務において特に気を使っていること(ヒヤリ・ハット)
[質問者]匿名希望さん(臨床工学技士)
医療機器管理業務についてお尋ねします。
貴院のヒヤリ・ハットを含めて、特に気を使っている業務など御座いましたら教えてください。
A3.北本技師(聖隷浜松病院)の回答
医療機器管理業務でヒヤリ・ハットに気をつけていることとして、医療機器を可能な限り同一メーカーの同一機種になるよう努めています。
機種を更新する際は、手術室やICU・NICUなど閉鎖的な部署に新しい機種を使用し、従来からの機種を一般病棟などに払い出し病院全体で使用する中央管理機器は混在しないよう努めています。輸液ラインなど消耗品もメーカーを統一し種類がたくさんにならないよう努めます。
除細動器は毎日全台の点検をCEが実施していること。病棟のセントラルモニタなど患者監視装置のラウンドは、安全や救命の認定看護師と毎週一緒にラウンドを行い、アラーム音量や警報設定など安全管理委員会と協働し啓蒙しています。
A3.高倉技士(亀田総合病院)の回答
生命維持管理装置の保守点検です。人工呼吸器、人工心肺、透析装置、輸液ポンプなど単独で使用して誤差が原因で治療を左右する医療機器は要注意です。各機種の点検資格は指導者の見極めがなければ新人職員が単独での点検は行えません。
その他、手術録画の患者IDの誤入力で他のカルテに映像を送ってしまうことが有ります。
入力間違えは無くなりません。