Q1.部下たちが活躍できるような施策について
■複数部署の潤滑油さん
Q.室長として部下達が各部署で活躍できるように何か行っていることはありますでしょうか。
■北本技士(聖隷浜松病院)
A.①各部署にリーダーを育成します。柱はとても重要となります。チームメンバーは可能な限り希望したスタッフで編成します(人が居ないときは指名となりますが・・)。
②皆で検討し進めていくことが重要なので、各部署で対応するメンバーを集めたチーム会を毎月実施してもらっています。その内容をリーダー会と役職者会で報告し承認しながら進めていきます。
③活躍するのに必要な人数を割り当てること。割り当て人数と専門性のバランスは重要となります。チーム会で、何人で対応するかも提案してもらいます。
④可能な限り、チームメンバー内の一番レベルの高い能力(知識・技術)に他のメンバーが追従するよう推奨しています。
Q2.他部門と連携について
■複数部署の潤滑油さん
Q.他部門と連携をして業務が円滑に遂行できる妙案はありますでしょうか。
■北本技士(聖隷浜松病院)
A.①自分たちの強みを活かし、CEが実施した方が良い業務はCEが請け負います。当院では看護師との協働業務以外に医療機器に関連する業務は看護と共存せず100%CEが対応する業務を増やしています。責任の所在をはっきりさせます。中途半端にすると責任の所在が不明瞭となるためです。
②CEだけの視点でなく相手が何をしてもらいたいかを確認していくことも重要と考えます。医療機器を通し、その延長業務であるのなら基本は協力するようスタッフに依頼しています。基本はできることはできるだけ協力すること。
③学ぶ姿勢や謙虚な姿勢を維持すること。
Q3.医療機器の適正在庫数について
■志知 純慈さん
Q.医療機器の病床数を考慮した適正在庫数を定めていますか?
■北本技士(聖隷浜松病院)
A.①急性期病院と慢性期病院、診療科により大きく異なるので病床数で適正在庫数は規定できないと考えます。病棟の医療機器は基本的に中央管理にすることで稼働率を算出し適正在庫を検討するのが一般的です。人工呼吸器など数が少ない医療機器は稼働率60-70%、シリンジポンプや輸液ポンプなど数の多い機器は稼働率80%と言われています。当院も概ねこの稼働率になるよう医療機器の購入を調整しています。
Q4.ローテーター(ジェネラリスト)と固定配置(スペシャリスト)について
■志知 純慈さん
Q.スタッフのローテーター(ジェネラリスト)と固定配置(スペシャリスト)をどう考えていますか?
■北本技士(聖隷浜松病院)
A.ローテーターと固定配置は施設の規模にもよりますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
当院は一部のリーダークラスは固定配置がいますが、スペシャリストでも極力2つ以上の業務を行うように対応してもらいます。
自分が担当する業務を、2つ以上を基本にスペシャリスト化するか、ジェネラリスト化するか。各個人の技量や希望で調整しています。ジェネラリストは、たまにやる業務でミスをおかし、ローテーションのシステム的な問題が起きます。スペシャリストは本人への業務の依存性が高く、他のスタッフが追従できない環境となること。管理上調整や融通が利かない。専門性の勘違いなど管理上の問題が発生します。とりあえず当院はこの中間を目指しています。
Q5.医療機器関連システムへの臨床工学技士としての関わり方について
■もぐらさん
Q.医療機器に纏わるシステム、ネットワークなど多くありますが、臨床工学技士としてどこまで関わっていますでしょうか?また、今後のCEの関わりの必要性についてどうお考えでしょうか?
■北本技士(聖隷浜松病院)
A.医療機器ネットワークは、手術部門システム、集中治療室などの重症系システム、透析システム、内視鏡部門システムなど個別の部分に関しては情報システム室と協働しています。情報セキュリティに関しては情報システム室にお任せしている状況です。情報が得意な臨床工学技士が臨床工学部門発信で業務展開することや情報システム室などの事務部門で専属として担当することも、専門性を活かすよい機会と考えます(前月回答とほぼ同様内容ですいません)。
Q6.臨床工学技士の在宅医療への関わりについて
■オッキーさん
Q.臨床工学技士在宅医療への関わりについて
■北本技士(聖隷浜松病院)
A.可能な限り在宅にも臨床工学技士が活躍することが望ましいと考えます。
当院は在宅にスタッフを派遣する施設ではないため、定期的な訪問は現在実施していません(過去は在宅人工呼吸器回路交換や本体交換などを訪問し実施していた時期はありましたが・・施設として管理上訪問してはいけないと病院からストップがかかりました)。
そのため、在宅ですごされる患者さんの人工呼吸器の選定や患者及びご家族への説明と訓練など病院内でできることをサポートしています。その他、在宅酸素に関しても、装置の説明を臨床工学技士が実施しています。
在宅人工呼吸器もHOTも自宅に帰られた後は、訪問などは実施できないので、トラブル時は病院に連絡または直接病院に来てもらいます。
ペースメーカーやICDを埋め込まれた方の遠隔モニタリングも積極的に導入しています。現在900名を超える患者さんの遠隔管理を行っています。
Q7.臨床工学技士同士の業務内容など共有方法について
■Chikoさん
Q.臨床工学技士同士の業務内容や報告事項の共有方法を教えてください。
■北本技士(聖隷浜松病院)
A.臨床工学技士同士に業務内容や報告事項の共有はどの施設でも課題かと思います。
当院では臨床工学技士内では、朝の申し送り、終業時の残務の確認は毎日実施。役職者が集まる役職者会議を毎月半日かけて実施。役職者と各業務リーダーが集まる会議を毎月土曜日に2時間。全体が集まる会議を土曜日に毎月2時間程度。各担当業務のチームが集まる会議を毎月実施しています。
それ以外に医用機器の新規導入、トラブル、セミナーや勉強会など情報共有は病院内のイントラネットを使用し通知しています。また医療機器の修理中リストを作成し進歩状況を随時更新し、会議で確認しています。会議は多いから必ず情報共有できるわけではありませんが、コアな部分は確実に抑える必要があります。しかし、我々の施設でも職員満足度調査で情報共有の満足度は毎年低い状況です。