Q1.臨床工学技士と臨床検査技師、2つの資格を持つメリットについて
[質問者]ゆかりさん(学生)
臨床工学技士と臨床検査技師を同時に目指す大学に通っています。臨床に出た際に2つの資格を持っているメリットがあれば教えていただきたいです。
A1.高倉室長(亀田総合病院)の回答
医療従事者として働くのであればメリットは有ります。
仮にCEとして働く事を前提とすれば、検査学校で学んだ細菌学、血液凝固、病理、染色、生理検査、等々 臨床工学の養成では浅学の学科が分かるので看護師、医師との話が広がります。
就職前に臨工/検査どちらでも良いから部署を決めてから仕事についてください。
悪いケースはCEがつまらなくなったら検査室に移動すればよいと思う事です。二兎追うものは…
A1.北本室長(聖隷浜松病院)の回答
メリットは多くあると考えます。
例えば手術室では誘発電位をCEも測定しますが、針電極など検査技師は実施できること。また測定のための勉強を行っていることで実施がスムーズとなります。
人工心肺や麻酔補助業務では血液データを診れること。エコーの操作や介助もおこなえることなど多岐にわたり知識と技術を活用できると考えます。
手術室以外でもCEが活躍するカテーテル室や内視鏡室などでも多くの検査技師の知識が臨床に役に立つと考えます。
Q2.グループ間での業務量の差や時間外労働をどのように整理するか
[質問者]カビゴンMEさん(臨床工学技士)
現在当院では5グループ(血液浄化、手術室or人工心肺、ME機器管理or集中治療、消化器内視鏡、心臓カテーテルor不整脈)で運用されています。
グループによって当直・待機の有無、配置人数にも差があり時間外(多いグループは平均50時間、少ないグループは平均10時間)や年休取得日数にかなりのバラつきがあります。
それらを是正するためには人員要求または業務兼務を提案している現状でありますが、所属長の理解は得られておらず、協力的ではありません。新規業務・人員要求等の裁量は各グループのリーダーのみで決めている現状です。
貴院ではグループ間での業務量の差や時間外労働をどのように整理されていますか?また、所属長が他グループへの理解・協力的でない場合はどのように対応したら良いでしょうか?
A2.高倉室長(亀田総合病院)の回答
当直や待機はグループ(以下G)によって違いはあります。
当院の透析Gは定時で動いているので時間外は少ないです。ただ院内で全ての透析を24時間対応で行っているので当直や拘束をおこなえば多少残業は増えます。残業時間の目安は全G共に40時間にしています。
貴院の残業の多いGはみんなが約50時間でしょうか。
もし一人が突出して多いのであれば問題です。一人に偏っているのなら何らかの業務改善をしてあげなければなりません。
もしGのみんなが50時間近い残業であれば、人員不足も視野にいれ業務改善など検証していかなければなりません。
当院では全Gの時間外労働は確認しています。
所属長が他グループへの理解・協力的でないようですが、貴院は各Gの責任者(主任)は配置していますか?
当院では主任会と称して月1回会議をしています。そこでは各G人事の情報共有をするので休職者、産休などで人手不足が分れば、G同志で手助けできるような体制を考えます。
まずは所属長が全員の勤務状況を把握して業量が偏らないような人員配置しなければ問題解決の糸口は見つかりませんね。
所属長の理解が得られないのであれば非常に残念な事です。
貴院において所属長を統括している部門があれば相談するのも良いでしょう。
A2.北本室長(聖隷浜松病院)の回答
業務量の差は、どうしても内容によって発生すると考えます。可能な限り業務の種類と兼務の組み合わせを考慮し、ばらつきを減らすように当院でも努力はしています。
改善の要望はスタッフから毎年聴取し、話し合いを各グループやリーダー、役職者が中心となり改善を検討しています。
時間外労働に関して、30時間以内に全員がおさまるようにリーダーと役職者が調整するようにしています。
時間外は基本30時間以上ゼロ、全体の平均は10時間程度となっています。
兼務をすることで時間外や休みの調整もできることなど、管理上のメリットも多いことを伝え続けること。管理者の考えや文化がどこかのタイミングで変化し改善するといいですね。
Q3.ME2種の有無は採用に影響するか
[質問者]あしたさん(臨床工学技士, 学生)
3回生です。ME2種取れませんでした。採用に大きく2種を持っているか持ってないかは関わるでしょうか。
A3.高倉室長(亀田総合病院)の回答
採用試験でME2種の取得有無を参考にする場合もあります。
採用試験は国試合格見込みであるので入職目前で国試不合格であれば人員補充ができなく、在職職員に負荷が掛かります。
よって選考にME2種取得者とそうでない者がいれば、2種取得者は国試も受かります。過去の経験からME2種取得者は国試には合格していることを体感しているからです。
しかし成績だけでなく人柄を最も重視するのでどちらともいえません。
A3.北本室長(聖隷浜松病院)の回答
個人的な見解ですが、採用試験時にME2種を取得しているかどうかは確認の項目としてはあります。
取得しているかどうかで国試に受かるかどうかの判断材料にもなること。学力があるかどうかの判断材料にもなると考えます。
国試のためにもなるので4回生では是非取得を目指してください。
Q4.(学生)興味のある業務がイメージができない
[質問者]ゆあさん(学生)
2年生です。今、何の業務に興味があるかと聞かれてもよく分かりません。
個別の業務にも興味が持てればと思うのですが、どうしたら興味が持てるようになりますでしょうか。
面接では、どのような業務をやりたいという情熱がないと採用されにくいでしょうか。
A4.高倉室長(亀田総合病院)の回答
心配しなくても大丈夫ですよ。
机上の勉強だけでは誰もがイメージが湧きません。
臨床実習で医療現場にでて興味が持てるようになると思います。また2年生なら春休、夏休みを利用して病院見学に行くと良いでしょう。
興味を引くものが見つかればラッキーです。面接ではどのような業務に就きたいか聞く施設もありますが、逆に何でも行ってもらいたいall-rounderを求める施設もあります。
採用には体力、協調性、謙虚、素直、挨拶ができるが最低限求められるでしょう。
A4.北本室長(聖隷浜松病院)の回答
どの業務に興味があるかは面接時に聞かれることは多いと思います。
まだ2年生なので臨床実習や今後の学生生活で見つかるかもしれません。もし見つからなくても、大丈夫です。必ずしも決まっている必要はないと考えます。そもそも実際に業務をしていないので働きながら見つけていきたいという回答でもよいと考えます。その際は総合病院をお勧めします。
実際、最初に興味のある仕事についている人もいますが、興味を持ち続けているとは限りません。また興味がなかった業務でも関わり方次第で一番楽しい業務になる人も多いです。