臨床工学技士の資格は潰しが効く?効かない?臨床工学技士の転職は?

まず、臨床工学技士は潰しが効く職種か考えてみると、潰しが効く職種だと私個人的には思います。なぜなら、臨床工学技士は多分野で活躍できる職業ですので、いろんな分野の知識が豊富になるため、そういった理由からも潰しが効くと言えるからです。それに加え、臨床工学技士の就職先は医療現場だけではなく、医療機器メーカーや臨床工学技士養成校など幅広い選択肢があり、これは転職の場合でも同じようにいろいろな選択肢があります。

実際に、医療機器メーカーから病院の臨床工学技士として転職した方や、その反対で病院で勤務していた臨床工学技士が医療機器メーカーや養成校に転職したケースも見られます。臨床工学技士は医療現場でも幅広い分野で働くことができますが、医療現場以外でも就職することが可能なため、もし医療現場の仕事が合わなくても臨床工学技士という資格を使って医療行為と距離をとって働くこともできます。

臨床工学技士の転職

臨床工学技士の転職率は正確な数字はわからないのですが、10%ほどと言われているようです。そのため、臨床工学技士はそこまで離職率が高い職種ではないと言えます。これは病院勤務での場合ですが、転職しても給与にそれほど大差がないため、離職率が低い結果になっていると思われ、臨床工学技士自体が転職できない職種だということではないということが言えます。実際、私自身もこれまで4回病院勤務での転職をした経験がありますので潰しが効くと言えると思いますし、さらに条件を高望みしなければ、ほとんどのケースで新しい就職先を見つけることはそこまで難しいことではないと思います。最近では医療機器の自動化が進み透析業務などはスタッフが少なくても業務を行うことが可能になってきています。しかし、医療行為にはリスクを伴うため、たとえ機器が自動化されたとしても人員を減らすことは推奨されていないので臨床工学技士の需要はまだまだあると考えてもよいと思います。このようなことからも、臨床工学技士という職種は潰しが効く職種だと言って良いと思います。

今後の臨床工学技士の働き方

次に、仕事の発展については、非常に期待できる職種だと私は思っています。最近の医療機器には、AIなどの高度な技術が搭載されたものがたくさん出てきており、機器の操作自体は非常に簡単になってきていますが、その反面機器になんらかのトラブルが起きた際の対処には専門的な知識が必要となってきています。また、医療機器もインターネットとつながるものが増えてきており、ネットワーク環境下で通信を行ってデータの取得や送信といったこともできるようになってきています。臨床工学技士にはIT関連の知識が必要とされ始めてきていると感じています。今までの臨床工学技士には、必要なかったITエンジニアのような高い専門性がこれからの臨床工学技士には必要とされるようになると個人的には予想しています。現在では、臨床工学技士は医療機器の操作や保守など医療現場で活躍することが主な役割となっていますが、これからは病院内などのサーバーや端末をつなぐネットワーク構築から運用、保守などを行う臨床工学技士が現れるようになってくることも予想することができます。先に書かせて頂いた臨床工学技士が潰しが効く職種かという話に繋がりますが、このようなネットワークの管理にも臨床工学技士が関わるようになれば、今よりもさらに仕事の幅が広がり臨床工学技士としての仕事を発展させることができると考えています。このようなことからも医療機器の進歩に伴い、臨床工学技士の業務内容も変化していく可能性は十分にあり、それが臨床工学技士の仕事の発展に繋がっていくと思います。

まとめ

臨床工学技士は、これからIT分野での仕事の広がりの可能性があることをお伝えしましたが、この分野での発展により臨床工学技士は新しい職種への道が開ける可能性も考えることができます。実際、すでに病院内のネットワーク構築に携わっている医療従事者が存在していますし、医療機器の専門職である臨床工学技士が病院内のネットワークなどの分野に関わっていくことが非常に期待できると思います。最近の医療機器は先ほども述べたように、非常に早いスピードで進化しており、それに伴って臨床工学技士のあり方も少しずつ変化してきていると感じます。医療現場でのペーパーレスの動きも相まって記録用紙なども紙からデータでの保管へと変化してきています。そのため臨床工学技士の点検簿などもデータとして保管している施設が増えてきており、医療機器の目の前でタブレットなどを使用して点検を行うことを考えると臨床工学技士の業務においてもインターネットなどのネットワークが必須になる時代がそこまで来ていると思います。現在、生活をしていく中で物とインターネットがつながる時代になりましたが医療機器も同じでloTが普及し始めています。個人的には、このように医療でのITという分野で臨床工学技士の新しい道が開けることを期待しています。