臨床工学技士と違う理学療法士の仕事のやりがいとは?

初めに、理学療法士の仕事である、理学療法とは病気、ケガ、高齢、障害などによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、または温熱、電気などの物理療法を用いて行う治療のことを言います(日本理学療法士協会HP一部抜粋*)。理学療法士の仕事の幅はとても広く、病気で歩けなくなった人をリハビリして歩けるようにする、アスリートやパラリンピックに出場するようなスポーツ選手に対して身体の使い方の指導(ケガをしないようにする)やケア、生まれつき障がいがある赤ちゃんに呼吸療法や赤ちゃん体操を行うなど、対象患者も赤ちゃんから若者、高齢者まで様々です。働く場所のバリエーションもたくさんあり、一般的な総合病院、整形外科クリニック、老人保健施設、スポーツのプロチーム、重症心身障害児施設など多岐にわたります。

臨床工学技士と違う理学療法士のやりがいと楽しさ

患者さんが、回復する過程を一緒に喜ぶことができ、なんといっても理学療法は「座る」、「立つ」、「歩く」といった人間の基本的な動作が困難になっている人をリハビリテーションでできるようにサポートすることです。出来なかったことが出来るようになった時、患者さんと一緒に「できましたね!」「よかったですね!」と手を取り合って喜びます。この嬉しさには理由があり、できるようになるまでにたくさんの失敗と挫折を長い時間一緒に経験しているからです。リハビリテーションは右肩上がりで良くなるということはほとんどなく、時には後退してしまうときもあります。そんな時にも患者さんを励まし、リハビリテーションが辛くならないようにプログラムを組み直したり、しっかりとコミュニケーションをとることが大切です。

患者さん、ご家族から感謝される

リハビリテーションは、1人の患者さんと比較的長く付き合う仕事なので、患者さん本人はもちろん、そのご家族ともコミュニケーションをとるため深い付き合いとなります。患者さんが初めて立てた時、歩けた時の喜びは一緒に共有し、ご家族からは「先生で良かった」「ありがとう」「これからも先生に担当して欲しい」など感謝の言葉をいただけることも多くあります。病気になって体が不自由になり、ショックを受けているのは患者さん本人だけでなく、そのご家族もひどくショックを受けていることがほとんどです。なので、患者さんが回復するとご家族の笑顔も増えて、結果リハビリテーションのやる気や意欲に繋がることもあるので、ご家族ともしっかりとコミュニケーションをとる必要が有ります。

色々試行錯誤しながらリハビリを行うことができる

基本的な理学療法や○○法など疾患によってある程度決まった訓練はありますが、患者さんは千差万別で教科書通りとはいきません。そこで理学療法士は自分の持っている知識や技術を最大限活用して、目の前の患者さんに合ったプログラムを立案します。次に実際にリハビリテーションを行い、効果判定をし、必要であればまたプログラムを組み直します。その過程の中で良い反応を引き出せたり、良い効果があると理学療法士としてやりがいを感じることができます。

自分の知識をどんどんブラッシュアップできる

理学療法は、自己研鑽の積み重ねで良い結果を生み出すことができます。日々の臨床で分からなかったこと、疑問に思ったことは先輩に聞いたり、文献で調べたりし、定期的に開催される研修会、勉強会に出向き、自分の知識をブラッシュアップしていく必要があります。新たな知見がどんどん報告され、今までにない療法、訓練法もたくさん生み出されるので、常にアンテナを張り巡らせておく必要があります。

臨床工学技士と違う理学療法士の苦労するところ、大変なところ

身体の疲労

理学療法士は、自分の体を使って動けない患者さんを介助し、回復のサポートをする仕事なので当然体力や筋力も必要です。自分の体をしっかり鍛えておかなければ、患者さんのリハビリテーションができないどころか、腰痛や自身の体の不調を引き起こしてしまいます。しかし、理学療法士は身体を知り尽くしているプロですから、腰に負担をかけない介助や小柄な女性でも重い患者さんを移乗させるテクニックなども持ち合わせています。ある程度の体の体力、筋力は必要ですが、残りはテクニックでなんとかなることが多いのでそこまで心配する必要はありません。

患者さんとのコミュニケーション

理学療法士が、対象としている患者さんは、例えば認知症で片麻痺の人、病気で性格が変わってしまった人、腫瘍で余命半年の人など様々です。理学療法士は患者さんにリハビリテーションを受けてもらう仕事ですが、そこには大前提で患者さんとの信頼関係があります。そして信頼関係を築く方法はコミュニケーションをとることです。しかし言葉が話せない患者さん、気難しい患者さんなど、スムーズにコミュニケーションがとれることはほとんどありません。いかに患者さんの気持ちになって辛さや悲しみを共有し、一緒に目標に進んでいけるかどうかがとても大切です。大変である反面、信頼関係を築けたうえでの「ありがとう」という言葉はとても嬉しいものです。

まとめ

理学療法士は、人と関わる仕事なので、まずは「人を好き」であることが大切だと思います。大変な面もありますが、だからこそ患者さんが良くなったときにはとても嬉しくて一緒に喜びや感動を共有できる素敵な仕事だと思います。