臨床工学技士を目指す人必見!臨床工学技士の国家試験の合格率と国家試験に向けたおすすめの勉強方法を教えます

臨床工学技士は「いのちのエンジニア」と呼ばれる、医療機器のスペシャリストです。臨床工学技士になるには、大学や専門学校、養成校を卒業し、必要単位を取得後、国家試験に合格することが必要です。国家試験は9科目の広範囲の中から出題されるため、入念な対策が必要です。臨床工学技士を目指す人へ、臨床工学技士国家試験の概要とおすすめの勉強法についてまとめましたので、受験対策の参考にしてみてください。

臨床工学技士国家試験の合格率と試験概要

臨床工学技士は、国家試験に合格した者のみが名乗ることができる資格です。臨床工学技士になるためには、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。気になる合格率もあわせて見ていきましょう。

臨床工学技士国家試験の合格率

臨床工学技士国家試験、過去5年間の合格率の推移は、下記のようになっています。
参照:第35回臨床工学技士国家試験の合格発表について

臨床工学技士国家試験は、近年では80%前後の合格率を保っています。しかし、第31回試験の合格率が73.7%であったように、受験年度によっては合格率に10%程度の違いがでるようです。臨床工学技士国家試験の合格基準は、180点中108点以上となっています。出題範囲は広いものの、しっかりと試験対策を行えば決して難関試験ではありません。

臨床工学技士試験の受験資格

①学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条第1項の規定により大学に入学することができる者。大学(4年制)短大(3年制)専門学校(3年制)養成校(3年制)で臨床工学技士として必要な知識及び技能を修得したもの。

②大学、短大、専門学校、養成校に2年以上在学または卒業者(高等専門学校は5年)で、厚生労働大臣の指定する科目を修めた者。文部科学大臣が指定した学校、又は都道府県知事が指定した臨床工学技士養成所にて、1年以上臨床工学技士として必要な知識及び技能を修得したもの。

③大学、短大、専門学校、養成校に1年以上在学または卒業者(高等専門学校は4年)で、厚生労働大臣の指定する科目を修めた者。文部科学大臣が指定した学校、又は都道府県知事が指定した臨床工学技士養成所にて、2年以上臨床工学技士として必要な知識及び技能を修得したもの。

④大学の在校者、厚生労働大臣が指定する科目を修めて卒業した者

⑤海外の教育機関で条件を満たしたもの。外国の生命維持管理装置の操作及び保守点検に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で臨床工学技士の免許に相当する免許を受けた者であって、厚生労働大臣が①②③④に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの。

参照:臨床工学技士国家試験の施行|厚生労働省

海外で条件を満たして無い限り、臨床工学技士になるには、大学や専門学校、養成校などの教育機関に少なくとも1年は通わなくてはなりません。すでに看護師や放射線技師などの資格を取得している場合は②もしくは③のパターンになります。ちなみに筆者は、上記②のパターンで臨床工学技士免許を取得しています。幸いにも大学卒業の資格があったので、必要な単位を通信口座で取得し、1年制の養成校に通いました。

臨床工学技士試験の出題範囲

臨床工学技士試験は、午前午後の2部生です。全180問、各試験時間は90問、2時間30分からなる1日掛かりの試験です。臨床工学技士試験の出題範囲は下記のようになっています。

  • 医学概論(公衆衛生学、人の構造及び機能、病理学概論及び関係法規を含む。)
  • 臨床医学総論(臨床生理学、臨床生化学、臨床免疫学及び臨床薬理学を含む。)
  • 医用電気電子工学(情報処理工学を含む。)
  • 医用機械工学
  • 生体物性材料工学
  • 生体機能代行装置学
  • 医用治療機器学
  • 生体計測装置学及び医用機器安全管理学

参照:臨床工学技士国家試験の施行|厚生労働省

臨床工学技士試験の出題範囲は広いだけでなく、医療系資格ではめずらしく、工学系の知識や電気電子の知識も要求されます。

臨床工学技士試験おすすめの勉強法

どのような試験でも、早めに対策することで余裕をもって試験を迎えることが出来ます。苦手科目は、早めに取り掛かり、苦手意識を克服しましょう。早めに過去問に目を通し、試験全体の流れを把握することも大切です。

計算問題は早めに手をつける

臨床工学技士は、医療職でありながら名前の通り工学分野の問題も多く出題されます。とくに「医用電気電子工学」「医用機械工学」などは、実際に計算しなければなりません。暗記だけでは乗り切れない科目です。理系科目に苦手意識をもつかたは、早めに手をつけて、計算問題に慣れることをおすすめします。

過去問は最低5年分

過去問は、早めに直近5年分は目を通しておきましょう。試験の傾向がわかる事で、押さえるべきポイントが見えてくるはずです。経験談ですが、言い回しが違うだけで論点が同じ問題や、中にはまったく同じ問題が、毎年数問は出題されています。頻出の問題は解けるように繰り返しチャレンジしましょう。

第2種ME技術実力検定試験は実力試しに

毎年9月に行われる、第2種ME技術実力検定試験は、出題傾向が臨床工学技士試験と似ていると言われています。学校によっては、第2種ME技術実力検定試験の受験が推奨されていたり、3年次までの合格が目標になっているようです。国家試験の約半年前ですが、模擬試験のつもりでチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。

得意科目は高得点を目指す

臨床工学技士試験は、総合得点(180点中108点以上)で合否を判断します。試験範囲は広いものの、各科目の出題数は決して多くありません。試験直前には、苦手科目の克服を目指すより、得意科目を落とさないことの方が重要です。取れるところで、高得点を目指しましょう。