臨床工学技士になってから認定資格は必要?必要じゃない?受験資格は?転職に有利?昇進に有利?を徹底解説

看護師に認定看護師があるように、臨床工学技士にも認定制度があります。認定を取得するには、経験年数や学会でポイントを貯めなければなりません。臨床工学技士が認定を取得することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。そもそも取得する必要はあるのでしょうか。

臨床工学技士に認定資格は必要?

臨床工学技士が取得できる認定資格は、日本臨床工学技士会をはじめ、さまざまな学会が主催しています。受験資格には、認定分野において一定の経験年数を必要とするものが一般的です。また、主催学会に参加したりと、何かと手間がかかります。臨床工学技士が、認定資格を取得する必要性とは、どのようなものがあるのでしょうか。

認定資格は実績の証明、転職や昇進に有利?

認定資格を取得するためには、認定を受ける業務の経験年数が必要です(経験年数は認定資格や主催する学会により異なります。)つまり、認定資格を持っているということは、その業務に対して一定のレベルを超える、知識や経験を積んだ証明になります。一緒に仕事をするのならまだしも、事務方や院外で出会う人達にたいして、自分の実力を知ってもらうことは困難です。とくに、業務の幅が広い臨床工学技士にとっては、同じ業務であっても、病院によって内容が異なることは往々にしてあります。そんなとき一定のレベルを証明してくれる認定資格は、客観的に測る物差しとして役立つでしょう。

認定資格は給与アップのチャンス

勤務先によっては、認定資格を取得すると報奨金がもらえたり、月々の手当がアップする場合があります。また、福利厚生の一部として、受験費用の一部負担などを行う施設もあるようです。目指している認定資格がある場合は、勤務先に確認してみるのもいいかもしれません。

臨床工学技士に認定資格は不要?

認定資格を積極的に取得する臨床工学技士がいる一方で、認定資格にたいして消極的な技士も存在します。勤務先や配属先によっては、認定資格が生かせないこともあります。認定資格は、特定の業務に対する資格です。しかし、就職先や転職先によっては、せっかく取得した認定資格を業務に生かす事が難しい場合もあります。とくに、総合病院のように、複数の業務を行っている施設から、小規模施設へ転職した場合、最悪その業務を行っていないかもしれません。また、医師の移動や退職で、業務自体が縮小してしまう事もあります。就職や転職の際は、業務内容を吟味してきめましょう。

臨床工学技士が認定資格を取得するために必要なこと

臨床工学技士が認定資格を取得するためには、認定を受ける業務の経験年数と、認定試験に合格する必要があります。

認定資格の受験資格に経験年数や学会のポイントが必要

多くの学会認定資格では、認定試験受験資格に2年〜3年の経験年数が必要です。また経験年数とは別に、指定学会の参加や発表で加算されるポイントを貯める必要があります。近年では、新型コロナウイルスの影響もあり、eラーニングで講習を受けることも可能になっています。試験難易度が高いこともあり、認定を受ける業務で、試験難易度は大きく異なります。

2021年度 日本臨床工学技士会 検定試験結果
第11回呼吸治療関連専門臨床工学検定試験
受験者数:111人
合格者数:8人
合格率:7.2%

第14回血液浄化関連専門臨床工学検定試験

受験者数:210人
合格者数:33人
合格率:15.7%

第6回手術関連専門臨床工学検定試験

受験者数:88人
合格者数:16人
合格率:18.2%

第4回心・血管カテーテル関連専門臨床工学検定試験

受験者数:80人
合格者数:24人
合格率:30.0%

第4回内視鏡関連専門臨床工学検定試験

受験者数:36人
合格者数:6人
合格率:16.7%

第14回不整脈治療関連専門臨床工学検定試験

受験者数:168人
合格者数:25人
合格率:14.9%

第4回認定血液浄化関連検定試験

受験者数:280人
合格者数:243人
合格率:86.8%

第3回認定集中治療関連臨床工学検定試験

受験者数:176人
合格者数:158人
合格率:89.8%

参照:試験情報 | 臨床工学技士 認定制度 | 公益社団法人 日本臨床工学技士会

上記、日本臨床工学技士会が主催する認定試験の合格率によれば、血液浄化関連や集中治療関連の認定試験は、比較的高い合格率を示しています。そのほかの認定試験の合格率は、10%台のものが多く、呼吸治療関連にいたっては、7.2%と厳しい結果です。認定試験に合格するためには、専門分野に特化した勉強が必要不可欠と言えるでしょう。

認定資格は更新が必要

多くの認定資格は更新が必要です。5年更新の認定資格が多く、5年間に指定学会に参加し、必要ポイントを集める事、認定更新の為の講習会に参加することで、更新の条件を満たすことができます。昨今の新型コロナウイルスの影響もあり、更新時期や更新のための講習会に大幅な変更がでています。

各学会のホームページ等でチェックしておきましょう。
参照:日本臨床工学技士会 更新情報