臨床工学技士、理学療法士、作業療法士の専門性の違いは?どの段階で専門職が分かれるの?

将来、医療系に進んで、臨床工学技士や理学療法士、作業療法士になりたいけど、どれになろうかと迷っている方もいらっしゃるのではないのしょうか。今回は、そういった方に読んでいただきたい『臨床工学技士、理学療法士、作業療法士はどの段階で専門職に分かれるの?』『それぞれ、どのように勉強していくの?』等、詳しく説明していきます。是非、進路に迷っている方は参考にしてみてください。

臨床工学技士、理学療法士、作業療法士はどの段階で専門職に分かれるのか?

臨床工学技士、理学療法士、作業療法士それぞれの専門職として働くためには国家試験を受けて合格しなければなりません。つまり、専門職として分かれるのは国家試験を受けて合格し免許が届いた段階です。ただ、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士のどれになりたいかはもっと早く決断しないといけません。なぜなら、国家試験を受けるためには厚生労働省が定めている受験資格を得ないといけないからです。

臨床工学技士

臨床工学技士の受験資格を得るためには、4つの方法があります。

(1)高校卒業後に指定の養成校(大学、短大、専門学校)に入り、3年以上必要な知識や技能を学び修得する必要があります。
(2)医療系資格者(理学療法士、作業療法士、臨床検査技師など)の養成校や大学で1年以上修行し厚生労働大臣の指定する科目を修めた人は、指定の臨床工学技士養成施設で2年以上修行し必要な知識や技能を修得することで受験資格を得ることができます。
(3)医療系資格者(理学療法士、作業療法士、臨床検査技師など)の養成校や大学で2年以上修行し厚生労働大臣の指定する科目を修めた人は、指定の臨床工学技士養成施設で1年以上修行し必要な知識や技能を修得することで受験資格を得ることができます。
(4)大学で厚生労働大臣が指定する科目を修めて卒業する必要があります。

理学療法士

理学療法士は、高校卒業後に文部科学大臣または都道府県知事が指定した養成校で3年以上学び知識と技能を修得することで受験資格を得ることができます。

作業療法士

作業療法士の受験資格を得るには、高校卒業後に文部科学大臣または都道府県知事が指定した養成校で3年以上作業療法士として必要な知識と技能を修得する必要があります。臨床工学技士、理学療法士、作業療法士の受験資格を得るためには、高校卒業後の進路選択時に決断する必要があります。ただ、臨床工学技士の場合は理学療法士・作業療法士の養成校に入学しても厚生労働大臣の指定する科目を修めた後、指定の養成施設へ行くことで臨床工学技士の受験資格を得ることができます。

養成校に入ってどのような勉強をするの?

養成校に入ってどのような勉強をするのかそれぞれの専門職に分けて説明していきます。

臨床工学技士

臨床工学技士の養成校では基礎分野、専門基礎分野、専門分野の3つの分野を履修します。基礎分野では、社会人として必要な幅広い知識と教養を身につけるために人文科学や自然科学、外国語などで構成されています。専門基礎分野は、臨床工学技士として必要な「人体のしくみ」と「機械のしくみ」を学びます。人体のしくみは、人体の構造および機能や医学的基礎。機械のしくみは、臨床工学技士として必要な理工学的な知識や医療情報技術とシステム工学の基礎を履修します。専門分野は、臨床工学技士に必要な医学知識や医療機器の技術を学びます。実際に病院で臨床実習に臨み臨床工学技士としての役割や重要性を現場で学びます。臨床実習後、養成校によっては卒業論文や卒業試験を行い国家試験に向けて勉強をします。

理学療法士

理学療法士の養成校では、基礎分野、専門基礎分野、専門分野の3つに分かれています。基礎分野とは、社会人として必要な幅広い知識や教養を身につけることを目的に人間科学や自然科学、語学などを学びます。専門基礎分野は「人体の構造と機能及び心身の発達」、「疾病や障害と回復のメカニズム」、「リハビリテーションの理論」について履修します。専門分野は、理学療法士に必要な知識や技術を学ぶ分野の事です。座学だけでなく、実技の授業もあります。具体的には、「基礎理学療法学」、「理学療法評価学」、「理学療法治療学」、「地域理学療法学」などがあります。理学療法士の場合は、「見学実習」、「評価実習」、「総合臨床実習」、「通所リハビリテーション又は訪問リハビリテーションに関する実習」に行く必要があります。学校によっては卒業論文や卒業試験を受けた後に、国家試験に向けて勉強をします。

作業療法士

作業療法士の養成校でも、基礎分野、専門基礎分野、専門分野の3つに分かれています。基礎分野、専門基礎分野においては理学療法士と同じ授業が多いため養成校によっては一緒に受ける事もあります。専門分野は、「基礎作業療法学」、「作業療法評価学」、「作業療法治療学」、「地域作業療法学」など作業療法士に必要な技術を学びます。作業療法士も臨床実習に行く必要があり、「見学実習」、「評価実習」、「総合臨床実習」の3つがあります。実習を実施する学年や日数は、養成校によって違います。臨床実習に行った後、養成校によっては卒業論文や卒業試験を行い国家試験の勉強をします。

専門職になるためには?

臨床工学技士、理学療法士、作業療法士は業務内容や働く場所が違います。そのため、どれになろうか迷った時には業務内容や就職場所などをしっかり調べて高校卒業後の進路選択時までに決めるのが望ましいでしょう。養成校に入った後は、聞き慣れない言葉も多いため勉強も大変ですが臨床実習や国家試験に向けてしっかり勉強しましょう。国家試験合格後は、免許申請を行い免許証が届くことで専門職となります。