臨床工学技士と作業療法士、どちらも医療に携わる職業は分かるけど、違いは何？｜臨床工学技士に特化した日本初のWebメディア『フォリスタビズ│forista biz』

臨床工学技士と作業療法士の違いを知っていますか?名前を見ると、どちらも医療に携わることのある職業だと予測はつきますね。では、具体的にどのような仕事をしていて、両者の違いはどこにあるのでしょうか。簡単に説明すると、臨床工学技士 (Clinical Engineer：CE)は、機械の安全管理や使用を通じて対象者の生命維持のサポートをする仕事です。一方、作業療法士(Occupational Therapist ：OT)は、対象者の身体や心の機能維持や回復をサポートする役割を担っています。リハビリテーションを担う専門職のなかでも、作業療法士は生活での様々な活動に重点を置いた関わりをする事が特徴です。それぞれの仕事内容について、詳しく述べていきます。

臨床工学技士とは

臨床工学技士の定義とは

臨床工学技士は、臨床工学技士法でこのように定義されています。この法律で「臨床工学技士」とは、厚生労働大臣の許可を受けて、臨床工学技士の名称を用いて、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作(生命維持管理装置の先端部の身体への接続又は身体からの抜去であつて法令で定めるものを含む。以下同じ。)及び保守点検を行うことを業とするものをいう。
引用元：厚生労働省　理学療法士及び作業療法士法

臨床工学技士の主な業務とは

臨床工学技士の主な業務は、以下の通りです。

・呼吸治療業務
・人工心肺業務
・血液浄化業務
・手術室業務
・集中治療業務
・心血管カテーテル業務
・高気圧酸素業務
・ペースメーカ／ISD業務
・医療機器管理業務

臨床工学技士は、様々な装置を扱います。これには、

・肺に空気を送るための人工呼吸器
・人工心肺装置などの、心臓や肺の代わりになる装置
・人工透析装置などの、血液浄化療法に用いる装置
・手術で用いる麻酔の装置
・不整脈の患者に用いる、ペースメーカーや植え込み型除細動器が含まれます。どれも、生命の維持に必要な、重要なものです。

臨床工学技士になるには

臨床工学技士には、大学や短期大学、専門学校などの養成校があります。国家試験の受験資格を得るためには、厚生労働大臣の指定する科目を修得する必要があります。国家試験に合格すると、臨床工学技士の免許を取得できます。

臨床工学技士の就職先

資格を活かして、病院やクリニック、養成校や医療機器メーカーなどに就職しています。

作業療法士とは

作業療法士の定義

理学療法士及び作業療法士法では、身体又は精神に障害のあるものに対し、主としてその応用的動作又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。と定義されています。また、2018年には作業療法士協会によって作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。と定義されています。

作業療法士の作業とは何か？

一般的には、「作業」というと仕事や製作、なにかの操作を指しますよね。作業療法の考え方では、「作業」は、人と社会との接点をもつ活動全てを指しています。具体的には、食べたり、入浴したりといった、セルフケア、料理や洗濯、買い出しなどの家事、仕事、余暇活動、地域活動が挙げられます。わたしたち一人ひとりの生活習慣や環境、その作業の重要度は異なります。そのため、作業療法では対象者それぞれのニーズを把握し、その人らしさを生かした関わりをすることが重要になってきます。