【きっかけと養成校入学編】臨床工学技士が語る!私が臨床工学技士を目指した理由

臨床工学技士としての17年間勤務している私が臨床工学技士を目指した理由と、その過程についてお話したいと思います。まずは、なぜ医療系の職種を目指したのかというと、ずばり「白衣が着たかったから」という、とても子供らしい単純な思いからです。そして、なぜ白衣が着たかったのかというと、中学生のころに見た医療を舞台にしたテレビドラマを見て、白衣を着て医療現場で仕事をしている姿が、かっこいいなと思っていたからです。ただ、この頃は漠然と医療の世界で働いてみたいとしか考えておらず、医療現場でどんな仕事がしたいのかについては全く考えていませんでした。

しかし、テレビドラマ以外でも医療に興味を持つきっかけになる体験がありました。それは、中学校時代に学校の授業で行った老人ホームでの体験です。老人ホームでは、利用者さまと会話したり、車椅子を押して散歩へ出かけたり、一緒に体操したりする中で、自分が人の役に立てていると実感でき、とても充実した気持ちになったのを覚えています。ここの老人ホームには理学療法士や看護師が在籍しており、リハビリや看護のことを知ることができました。この理学療法士と看護師の方のお話しを聞いたことが、今となっては医療系の職種を目指すきっかけだったのかなと思います。この体験がきっかけで、中学校時代の私は「介護」の道に進むことも視野に入れており、高校に入学する頃には漠然と「医療」か「介護」の仕事がしたいと考えるようになっていました。

「臨床工学技士」との出会い

そして、高校生になって、やっと臨床工学技士という言葉と出会います。それは、高校3年生の時に担任の先生と進路について相談していた時のことです。私は、「医療」か「介護」のどちらかの学校に進学したいと伝えると、担任の先生から「医療と介護は全く違うから、よく考えて進路を決めなさい」と言われ、その時に初めて「医療」と「介護」について真剣に考え始めました。自分はどんな仕事がしたいのか、介護の現場で働きたいのか、または病院などの医療現場で働きたいのか、色々と自分の考えを整理し、考えた末に「医療」の道に進むことに決めました。その理由はやはり「白衣を着て仕事がしたい」ということでした。中学生の頃にテレビを見て、憧れていた夢を追うことにしましたが、重要な「職種」を全く決めていません。そのため、大前提として白衣を着て仕事ができる職種であること、そして自分が病院で働くにあたって、どんな仕事がしたいかを考えるようになりました。看護師や放射線技師、臨床検査技師など、色々な職種を調べましたが、結局どの職種の養成学校に行くか決められないまま、二回目の進路相談の日を迎えます。そこで、全く職種を決められていない私に先生が紹介してくれた職種が「臨床工学技士」だったのです。先生から臨床工学技士養成校のパンフレットを見せてもらい、医療職種の中では最近できたばかりの国家資格だということを聞きました。「臨床工学技士」という言葉を初めて聞いて「工学ってなんか難しそうだな」という印象でしたが、パンフレットの表紙の写真の臨床工学技士は白衣を着ており、自分の探している職種の条件を満たしているため、臨床工学技士に興味が湧いていました。家で、親に臨床工学技士のことを話すと、知り合いに臨床工学技士がいるというので連絡してもらい、その方と直接会って臨床工学技士のことを詳しく聞く機会を頂けました。臨床工学技士の方との出会いで、私は臨床工学技士を目指すことになります。

前途多難!臨床工学技士になるために障害となったこと

臨床工学技士の方が勤務している病院へ見学することになりました。初めて臨床工学技士のことを直接聞き、仕事場を見学し、ずっと探していた職種はこれだと確信しました。その理由としては、臨床工学技士の白衣姿が、自分が長年思い描いていた仕事姿そのものだったこと。そして、仕事内容が手術室やICUなどで機器を使用し、患者の命を守る仕事だと知り、やりがいのある仕事であると同時に、それがとても新鮮に感じられたことです。そして、そんな「臨床工学技士」がとてもかっこよく感じた私は、その日から臨床工学技士を目指そうと心に決めました。ただ臨床工学技士を目指すにあたって、いくつか不安がありました。一つは理系科目が得意ではなかったこと。

私は数学など、数字を扱う科目があまり得意ではありませんでした。臨床工学技士になるためには工学の勉強が必要で、理系科目が苦手な自分が臨床工学技士養成校に入ってから勉強についていけるか、とても不安に思っていました。二つ目に、手先が不器用なこと。臨床工学技士は主に医療機器の操作や保守管理を行いますが、保守管理業務では機器の部品交換を行うために医療機器を一度分解して組み立てたりすることがあります。そうした時に、手先が不器用な自分に機器の分解や組み立てが、できるかとても不安でした。勉強に関しては高校の先生方がサポートしてれたおかげで、無事に臨床工学技士養成校に入学することができましたが、手先の不器用さは入学試験には関係なかったものの養成校に入学後、だいぶ苦しみました。そんな養成校に入学してからのお話はまた次の機会にお話できればと思います。