看護師目線で考える医療機器管理とメンテンナンスの重要性とは?臨床工学技士の重要な役割について

看護師の立場から見た医療機器管理(メンテナンス)の重要性についてお話させて頂きます。私は看護師として病院に勤務していますが、その中で普段から医療機器に触れる機会が多くあります。私が普段身近に扱う医療機器としては鑷子、モスキートぺアン、剪刀、ガーゼなどがあります。整形外科に勤務しているため術後の患者さんの創部を医師が処置をします。医師によって毎日処置をしたり数日に1回処置をしたりと様々ですが、その際に医療機器を準備し、医師の処置の介助を私たち看護師が行います。

医療機器が十分に準備(メンテナンス)されてないと、医師が処置をできなくなります。医師が処置をすることができないと言うことは、患者さんに処置が施されないと言うことです。結果として患者さんが迷惑を被るということになります。そのため、看護師は日々医療機器のメンテナンスを心がける必要があります。使用後の医療機器は、必ず滅菌されるようになっているか、滅菌後の医療機器は必ず補充されているかと言ったことを毎日チェックしています。毎日のルーティン業務なので常に医療機器が補充されている状態が当たり前です。中には医療機器のメンテナンスを疎かにしてしまうこともあります。そう言った時に限って不足した医療機器があり現場では混乱してしまう事があります。看護師として日々のルーティン業務と言えどマンネリ化するのではなく節度を持って取り組むことが必要だと思います。

医療現場で必要となる臨床工学技士の重要な役割とは?

上記で取り上げた医療機器以外にも様々な機器を取り扱います。看護師は患者さんの健康管理が主な業務です。そのためバイタルサイン測定時に必要な体温計、血圧計、パルスオキシメーター、聴診器は常に持ち歩いている医療機器です。これらもきちんとメンテナンスしておかないときちんとしたバイタルサイン測定ができません。基本的には電池が切れてないか、きちんと作動するか、故障やエラー表示が出ないかを確認します。各機器ともエラー表示や電池切れが近いような表示は出るように親切に作られています。それらを勤務開始時に確認することは当然ですし、医療機器の異常に気が付いたらすぐに上司に報告し修理や交換を依頼するように心がけてます。

破損した医療機器を放置していたら次に使う人が困り、何よりも急変時に壊れた医療機器を持って患者さんのバイタルサイン測定をすると時間が無駄になってしまいます。それによって患者さんの状態が悪化することも十分に考えられます。そのため日頃からメンテナンスをすることは大切です。私の職場では医療機器を点検する係があります。その方々が定期的に点検を実施しています。そこで異常を発見することもあり、早期発見が何よりも大事だと思います。私の職場には臨床工学技士がいませんが、昔看護学校時代に実習で行った大きな総合病院には臨床工学技士がたくさん居て医療機器の点検をやっていた記憶があります。臨床工学技士が医療機器の点検をやる専門職だと学生の頃は思っていました。病院によっては臨床工学技士がいない病院もたくさんあることを知りました。私は数カ所の病院で勤務してきましたがどの病院も看護師が定期的に管理(メンテナンス)をやってました。なので今は看護師も医療機器のメンテナンスをやることが当たり前になっています。

人工呼吸器のメンテナンスの重要性

医療機器のメンテナンスは、一見とても地味で空き時間にやることが多い印象です。しかし、病院は、いつ患者さんが急変するか予測不能な場所なため、予測不能な事態に常に備えることが必要です。今回私が、取り上げてきた医療機器は基本的な機器ですが、急変時には高度な医療機器が使用されます。私の病院ではあまり高度な医療機器が使われることは、あまり多くありませんが、患者さんが急変して呼吸状態が悪い時に家族に連絡をとって、人工呼吸器を使うかどうかを確認します。実際には使用しなくていいという家族が多いのが現状ですが、稀に人工呼吸器を使用してほしいと言う家族がいます。そう言った場合に使用しますが、咄嗟に使用方法が分からないことがあります。慣れている医療機器を使用する際には当たり前のように使用できますが、滅多に出番がない医療機器が登場すると唖然とすることがあります。

最近、人工呼吸器が使用されたケースがありましたが、私の記憶では2年以上出番がありませんでした。このような時でも直ちに人工呼吸器を患者さんに装着して機器を操作しないといけません。なので突然の状況に焦ることのないように日頃から医療機器のメンテナンスを行うと同時に機器の操作方法だったり確認事項を複数のスタッフで確認することが大切だと感じます。病院で定期的に人工呼吸器の研修会があります。人工呼吸器の装着方法や機器の操作方法、設定方法など詳しいスタッフが丁寧に教えてくれます。使用頻度の少ない医療機器ほど研修会などの機会に積極的に触ることで使える状態にしておくことが大切です。