社会医療法人かりゆし会 ハートライフ病院
当院は1988年に開院以来、「私たちは心と心を結ぶ信頼される医療をめざします」を理念にかかげ、地域医療支援病院として365日24時間体制の救急医療と幅広い分野の専門医療を実践してまいりました。
これからも患者さんやご家族が納得し、満足していただける医療を提供すベく、さらなる質の向上に努めたいと思います。
沖縄県は今後本格的な高齢化社会を迎えます。高齢者が自立し、健康で長生きすることが地域全体の幸福につながると思われます。これまで急性期病院は病気の治療をすればよかったのですが、高齢者とそれを支える家族は様々な問題を抱えていることが多く、これまで以上に患者さんの生活を考慮しながら医療を実践することが求められるようになりました。
ハートライフ病院は地域の病院や診療所、老健施設、介護施設、自治体等多くの方々とスクラムを組んで地域住民の健康増進と生活の質の向上に寄与するよう職員一同努力していきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
病院の理念
『わたしたちは、心と心を結ぶ信頼される医療を目指します。』
基本方針
1.安全で質の高いチーム医療を提供する
2.地域完結型医療(地域保健・医療・福祉施設との連携)を実践する
3.24時間体制の断らない救急医療を提供する
4.患者が満足し、納得する医療を提供する
5.社会に認められる人材を育成する
6.健全な医療経営を実践する
7.社会の変化に対応できる組織作りをする
今回は、実習に来た生徒は就職試験を受けてくれるという地元に愛される社会医療法人かりゆし会 ハートライフ病院 臨床工学科の野原剛(のはら・つよし)技師長にお話をお伺いしました。
野原技師長が臨床工学技士を知ったきっかけ
野原技師長
医療には興味があり、機械が好きで行った工業高校ですので、工業の活かせる仕事に就ける進学を考えていました。進路指導で臨床工学技士という仕事があるのを知り、東京の学校に体験入学に行きました。
人工呼吸器の機械操作等の実演をみて、医療と工学が結びついている仕事だとしっくりきて、臨床工学技士になることを目指しました。
入職について
当時の当院には、透析の看護師さんしかいなくて、透析室の師長が、わざわざ東京の学校までスカウトしに来てくれました。臨床工学技士は認知が低く、求人もなかったのですが、臨床工学技士の枠として取ってくれるということで入職しました。
入職当時は、透析室に機械を触れる人がいるという感じの透析技士というような業務でしたが、その後、機器管理業務、内視鏡、器械出しなど、タスク・シフト/シェアで業務が広がっています。
やりがいについて
病院が地域災害拠点病院でD MATやJHAT(透析に特化した派遣チーム)のメンバーになっています。
私も現場に出ていますので、透析技術認定士と三学会合同呼吸療法認定士は維持しているのですが、資格を取りたいとか学会で発表したい等、学びたければ自己研鑽を補助してくれるので、そういうところに魅力を感じて27年間も同じ病院で働き続けているのかと思います。
私は、JSDT(日本透析医学会)は定期的に発表していますし、前回の九州沖縄臨床工学技士会では、ハートライフ病院で4名発表しています。機器管理も臨床ME専門認定士を取得して専門にやっている技士がいるので、そういった学会なども定期的に発表しています。
一番学会発表しているのは仲松副技師長です。沖縄県や九州沖縄の技士会での発表も多いですが、総務省での発表「病院内での安全な携帯電話運用事例」※1 もあります。
透析は私が、医療機器管理は仲松副技師長がスペシャリストとして業務をしています。
※1 総務省|行事案内|「医療機関における安心・安全な電波利活用促進シンポジウム」の開催(外部リンク)
一日の流れについて
定時
8:00~17:00(透析室、手術室)
8:30~17:30(機器管理、心カテ、器械出し)
12:30~21:30(器械出し)
10:00~19:00(透析室時差勤務)
14:00~23:00(透析室準夜)
当直はなし。残業はほぼなし。オンコール(緊急カテと急性血液浄化)の残業くらい。
部門としての朝礼は廃止しました。なかなか集まることが出来ないので、各部門長からネットで共有した方が早いということで、共有事項はアプリで共有しています。
透析室(57床)
8:15 患者さん入室
7:30~9:30くらいまで迎えの車を出しているので、10:00くらいまで穿刺
12:30 返血(~14:00)、空いたベッドから次の透析準備
13:15 患者さん入室
16:00 患者さん入室
・火木土1クール
・月水金3クール
台風シーズンは台風の進路予測をして月曜日の透析を日曜日に前倒しするなど、沖縄ならではの特徴があります。血液浄化業務では透析以外にもCART、ハーベスト、PBSC、BMSC、末梢血幹細胞採取(白血病治療)なども行っています。
時短の職員が一人いますが、出来るだけフレキシブルに対応しています。副技師長も育休で2~3か月休みました。院内保育もありますし、住宅手当、通勤交通費、待機費用などもあります。
ハートライフ病院には臨床工学技士の夫婦がいますが、院内に夫婦喧嘩さえ持ち込まなければOKなので、夫婦でも働けます。
透析業務のやりがい
患者さんと接して、コミュニケーションをとってどんどんどんどん信頼されることです。穿刺が一番のストレスですので、スムーズに穿刺が行えることで、患者さんとの信頼関係が構築できています。
休日の過ごし方
趣味がジョギングなので走りに行ったり、腰痛持ちなので整骨院に行ったりしています。コロナ禍で行けなかったのですが、釣りも好きで、グルクン(タカサゴ)を釣って餌にして、アカジン(ミーバイ)みたいな大物を釣ります。他はエイサーもやっているので沖縄全島エイサーまつりには毎年出ています。
新卒が4月1日に入職してきたら
3日間はかりゆし会のオリエンテーションを行い、部署や病棟見学を行います。
透析、機器管理業務(循環器業務、手術室外回り業務含む)に振り分けて2~3か月のローテーションで、個々の特性を見出します。
新人は1週間交代のローテーション、2年目から1~2か月でのローテーション(固定メンバー(透析室3名、機器管理2名、循環器4名)を除く)業務となります。
・心カテは火曜・木曜なので、他の日は機器管理業務のローテーター
・循環器業務は、心カテ、ペースメーカー管理、在宅支援
・手術室の外回り業務(手術室の麻酔器の点検準備等)
・手術室の器械出し(メス等手術で使う器具の器械出し)は、離職率の低い臨床工学技士で担当。看護部でマニュアルを作っているので、難易度の低い器械出しから担当。業務が特殊で、各診療科の手術を覚えないといけないので、1~2年スパンで担当します。
臨床工学科業務は、循環器業務、手術室業務、機器管理業務、血液浄化業務、内視鏡業務(看護部付け2名)です。業務は、業務ラダーとチェックリストで、介助、回収、止血、エコー下穿刺など、出来ることを増やしていきます。主任は、新人と週1ミーティングして進捗を確認します。覚えるのが早い、遅いがありますので、その人に合った教育が出来るようにしています。
臨床工学技士の数は21名(男性17名、女性4名、20代16名、30代3名、40代2名、内2名は看護部付け内視鏡業務)で、沖縄にも養成校が出来て実習生の受入れをしていますが、SOLAさんの男性比率が高いので、女性比率はなかなか上がりません。今まで、県外にスカウトに行っていたのに、今では県内で採用できる状況になっています。20代が多いのは、業務を拡大しているので、ここ5年での採用が多いからです。若くて元気な組織です。
採用に関して
やる気があって何でもやるという方を採用していきたいです。
試験は面接です。論文も専門試験もありません。人柄がよく、やる気があって、熱意を感じる方を採用していきます。
直近採用の方はどのような方を取られましたか?
直近の採用は、SOLAから2名、徳島文理から1名を採用しましたが、やる気を感じる方で3名採用しました。成績証明は参考資料としては見ますが、ハキハキ話せないとか、ハートライフ病院に就職した後のビジョンが無い人、ローテーター業務がダメというような方は、お断りしています。
たまたま、採用したSOLAの1名は、学年最優秀な方でした。頭が良くても臨床が出来るわけではないので、自分の考えがある、ビジョンがあるという点で採用しました。
気になるのは、実習の成績が「C」だと、実習の態度が悪かったのか、遅刻が多かったのか等、気になります。面接だけのその場しのぎではなく、普段からしっかりした人ではないと、仕事が続かない人が多いです。
器械出しと内視鏡に関しては、病院からも要望がありますので、直近の伸びしろとしては、この部分で採用を増やしていきたいと思います。
実習病院として人気の高い方の病院だということを養成校からはお聞きしています。実習は、私と仲松副技師長で、真摯に教育に当たらせていただいているのが、評価いただけている部分だと思います。
実際、実習に来られた学生さんのほとんどが、当院を受けてくれています。
ずっと面接に携わらせていただいて、「人柄、やる気、熱意」だなと思っています。
積極性、自発的な人を採用していきたいと思います。
やる気がある人は、職場に入ってからも、自発的にやる事を探したり、事前学習でちゃんと調べて来たり、オンライン勉強会に参加してスキルアップしています。今年1年目のスタッフも、自分で題材を決めてきて、11月の学会に参加します。
病院見学はいつでも受け付けています。1年生でも見学可能です。見学希望はリクルートサイトからお問合せ下さい。