【臨床工学技士インタビュー】臨床工学技士の出来る業務全てが体験出来て、離島応援も出来る南部徳洲会病院

南部徳洲会病院

南部徳洲会病院は、徳洲会グループの5番目の病院として設立しました。救急医療に関しては、開院の翌年(1980年)に沖縄県の民間病院として第1号の救急病院指定を受け、2007年には県のドクターヘリ事業と連携し、2009年にはドクターカーを導入、地域の救急隊と連携し、救急現場における救命活動も行っています。

当院ではがん治療の向上を目標に、2012年に沖縄県初の放射線治療装置トモセラピー導入を始め、2017年には緩和ケア医師の着任によりがんサポートチームを発足し、現在は専門看護師の育成にも取り組んでいます。更に、2020年には徳洲会グループ初・県内初となるサイバーナイフを導入しました。2019年から内視鏡治療では、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)での早期大腸がん治療も実施しています。2015年にはJCI(国際的医療機関評価機構)の認証を得るなど先々を見据え先進医療と医療水準の向上に積極的に取り組んでいます。

臨床工学部は2003年に設立され、2023年度より24名(男性:16名/女性:8名)が在籍しています。2010年度より日曜出勤、2013年度から宿直を開始し、2019年度より夜勤(2交代制)になっています。

臨床工学部24名の指揮を執る玻名城牧子(はなしろ・まきこ)副室長と2年目の諸見里多紀(もろみざと・たき)技士にお話を伺いました。

諸見里 技士(左)・玻名城 副室長(右)

諸見里 技士に聞いてみた

臨床工学技士に興味を持ったきっかけ

医療現場の映像やドラマを見て医療職に興味をもったのがきっかけです。医師や看護師以外に他にはどのような仕事があるのだろうと調べた際に、臨床工学技士という職業があることを知りました。

機械を通して患者さんに接し治療にあたれる臨床工学技士を格好いいなと思い興味を持ち、目指すことにしました。沖縄にも実家から通える養成校が一校あるため、そこで学び、臨床工学技士になりました。

南部徳洲会病院を志望した理由

色んな業務が出来る総合病院であり、業務がローテーションで出来るということで、良い環境の病院だと思いました。他にも沖縄には総合病院はいくつかありますが、南部徳洲会病院で採用枠出るらしいという噂があったので、見学に来ました。スペシャリストにもジェネラリストにもなれるということで南部徳洲会病院を選びました。

1年経ち、まだまだ勉強しないといけないことが出来てきて大変ですが、色々と出来る業務も増えてきて、やりがいを感じています。

現在の業務と一日の流れ

主な業務は、人工呼吸器(ラウンド業務、日常点検)、ME機器管理、透析、内視鏡(消化器の軟性内視鏡を担当、硬性内視鏡はオペ室業務になるので3年目以降の業務)です。

定時 8:30~17:00(日勤)

8:20 臨床工学部朝礼
8:30 透析室ミーティング
8:30~9:30 外来患者さん入室、穿刺・接続
10:00~10:30 入院患者さん入室、穿刺・接続
11:00 昼休憩1時間
12:00 2クール目のプライミング
13:00 1クール目返血
14:00 2クール目穿刺
15:00 1クール目終了した病床から翌日準備
17:00 終業

現在の目標

人工呼吸器管理、機器管理は、今やっている業務の中で興味があります。まだ携わっていない業務もあるため、全ての業務を一通り経験し、その中で深堀したいと思う業務を見つけて、専門性を高めていきたいと思っています。

現状では、臨床工学技士の仕事を一通り覚えて、いち早く先輩方に追いつくことが目標です。

ギャップ

想像していたより臨床介入が多く、患者さんを治療していく上で他職種とのコミュニケーションがとても重要でありチーム医療の大切さを感じています。

また内視鏡は学校ではほとんど学ばない分野であったため、ゼロから覚えるという部分ではギャップを感じました。

やりがい

2年目になって少しずつですが対応できることが増え、看護師さんなど他職種の方々とも話せるようになりました。元々コミュニケーションをとることが好きなため、業務内容のことはもちろん、私的な話をすることでも勉強するモチベーションに繋がっています。

また透析患者さんは特に関わることが多く、穿刺が上手くできた際に「ありがとう」と言われた時にもやりがいを感じています。

玻名城 副室長に聞いてみた

入職研修

3日間は医療人として、離島教育など徳洲会グループの原点、理念などオリエンテーションを行います。

1か月目は主に透析従事して、患者さんや看護師さんとのコミュニケーションの取り方を覚えながら、一年かけて透析業務を一人で出来ることを目標とします。

2か月目以降は人工呼吸器、ME機器管理、消化器内視鏡にも従事して一年後の夜勤に向けて一人で出来ることを目標とします。

2年目は夜勤や高気圧酸素治療業務を覚えて行きます。

3年目はオンコール対応も担いながら手術業務、心臓カテーテル業務、在宅CPAP業務などに従事していき、主要5部門をローテーションで業務を行います。経験不足になりがちな手技に関してはシミュレーション教育を定期的に行い周知を図っています。

5年目で、血液浄化、ME機器管理、人工呼吸器管理、内視鏡、高気圧酸素治療、手術室業務が一通りできるようになり、ICU業務へ幅を広げています。

部署ミーティングで症例検討や新規機器の使用説明会などの勉強会を行い、また沖縄ブロックセミナーを毎年開催し、自施設から若いスタッフを中心に5演題の発表をしています。

取得資格は、専門臨床工学技士や認定臨床工学技士、体外循環技術認定士、高気圧酸素治療専門技師などに資格手当がつきますが、部署としては三学会合同呼吸療法認定士や透析技術認定士も積極的に受験しており、取得したことで各業務のリーダーとして対応することが可能となり、モチベーションを維持しています。

離島応援

1年目の業務を覚えると離島応援対応可能になるため、諸見里さんも8月に1か月宮古島に離島応援へ行きます。真夏の離島応援はリゾート感覚で楽しめることもありますが、知らない施設での業務や台風シーズン中の対応など、離島の厳しさも併せて経験をしてもらうことで、若いスタッフは一回り大きく成長して戻ってきます。

来て欲しい人

色んな業務を学ぶ意欲が旺盛で、他職種と多く関わる部門であることからコミュニケーションをとる事が好きな人がいいです。採用試験は今のところ筆記試験がありませんので、どんどん見学に来て、採用面談を希望いただければと思います。

各業務において医師や看護師との距離が近くてスキルアップしやすい環境です。

南部徳洲会病院ならではの業務は、高気圧酸素治療装置の1種装置・2種装置を完備しているため潜水症治療は県内でも当院がメインで行っています。また、人工呼吸器などの生命維持監視装置導入時は休日昼夜問わず全症例でコールされますし、離脱までの操作設定管理の中心をCEが担っていることも、当院臨床工学部の特色のひとつと言えます。

 

取材協力

南部徳洲会病院 臨床工学部
〒901-0417 沖縄県島尻郡八重瀬町外間171-1 Tel.098-998-3221
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