手稲渓仁会病院 (ていねけいじんかいびょういん)
当院は1987年の開院以来、地域住民の皆さまから頼りにされる病院として、同時に質の高い急性期総合医療を提供する病院を目指して、職員一同、日々研鑽しております。
その結果、多くの方々のご支援により「地域医療支援病院」、「地域がん診療連携拠点病院」、「救命救急センター」、「ドクターヘリ基地病院」、「災害拠点病院」、「初期臨床研修指定病院」、「がんゲノム医療連携病院」等の指定を受けるに至りました。
~最先端医療の提供を目指して~
患者さんのことを常に考え、患者さん中心の「チーム医療」と「365日救急受け入れ」の体制を整えるため、下記の取組みを行っています。
【1】高度な技術と専門知識を持った、経験豊かな専門医が在籍
【2】救急車での来院、他院からの救急患者の紹介、直接来院される等の救急患者さんに救急医療を提供
【3】体に優しい手術(内視鏡や腹腔鏡、カテーテル手術など)の症例数が豊富
【4】がん診療連携拠点病院として、がん治療管理センターを開設
【5】周術期(手術前から手術後まで)の栄養管理や感染対策、安全管理の徹底
【6】高度急性期医療を担うため、最新の医療を提供できるよう、医療機器を整備
急性期医療・専門医療を提供する地域中核病院として、「患者さんのため、地域のため」を合言葉に、約1,900名の職員一同が質の高い「急性期総合医療」をチームとして提供することを使命として努めています。
今回は札幌市唯一のドクターヘリ拠点病院で道央の三次救急を担う手稲渓仁会病院臨床工学部の菅原誠一(すがわら・せいいち)部長と2年目の髙橋杏佳(たかはし・きょうか)技士にお話を伺いました。
菅原部長(左)・髙橋技士(右)
髙橋杏佳(たかはし・きょうか)技士に聞いてみた
臨床工学技士を知ったきっかけ
医療系の学校に進学したいと思っていました。看護師は自分の医療職のイメージと違っていて、医療系の中でも色んな業務に就ける仕事はないのか探していました。臨床工学技士は機械点検メインの仕事で、患者さんにはあまり関わらず、多職種を裏方としてフォローする仕事なのかなと思っていました。
オープンキャンパスに行って、色んな診療科の多職種の方と一緒に患者さんにチームで治療を行う一員という事で興味が湧きました。
手稲渓仁会病院の入職の動機
せっかく色々な業務が出来る資格なので、こだわりを持たずに、診療科をまたいで色々な業務に就ける病院に就職したいと思っていました。
学科長にそういう病院はないかと相談したところ「手稲渓仁会病院で募集がある」ということだったため、受験しました。出身は秋田で、学校は仙台なのですが、勤務場所というより、やりたい業務が出来る病院に行きたいと思っていました。
髙橋技士の一日の流れ
日勤 8:30~17:20(1時間休憩)
習得済み業務はカテ室の外回り業務、透析業務、高気圧酸素業務、眼科手術業務、機器管理業務
8:00 循環器内科カンファ(持ち回り当番で30分前残業の日もある)
8:35 臨床工学部朝礼
8:40 カテ室準備、使用する機器の確認
9:00 患者さん入室、バイタルチェックから検査・治療業務(OJT中でプリセプターがフォローしてくれる)
11:00 昼食休憩(交代制)
一日中カテ室業務の日が多い。カテ室業務が無い場合は、習得済みの業務(透析、高気圧酸素治療、機器管理)のヘルプに入る。
17:20 終業
高橋技士は、新人なので日勤のみの勤務となります。
将来的には、臨床工学部では夜勤・当直・オンコールを業務があります。
・夜勤(平日) 16:30~翌9:00(一直二勤務) 1名配置(緊急カテが多い)
・日当直(土日祝日) 1名 8:30~翌8:30(日勤業務と管理当直。夜間業務発生時は超勤対応)
・オンコール 1名
将来の目標
カテ室業務に入れてもらえたので、ドクターに信用してもらえるように、まずはスキルシートを完璧にして一人前になりたいです。先輩方には、アブレーション業務もデバイス業務も虚血カテも出来る方がいます。まずはカテ室業務を一人前にして、人工心肺に入れるタイミングがあれば、人工心肺業務にも就きたいと思います。
今のやりがい
虚血でPCI(経皮的冠動脈インターベンション)を行う時に、IVUS(血管内超音波検査)で内腔を見て、これくらいのステントで良いですよね?と言う提案ができた時が嬉しい。
術前カンファレンスで、術式やステントの太さがぴったり合っていると、後から先輩に褒めてもらって、「ヤッター!」って思います。
手稲渓仁会病院に入ってよかったこと
一番は色々な業務に就けることです。気さくに話しかけてくれる環境があって、手厚い指導をしてくれます。やってみたいと言った業務に受け入れてもらえたので、恵まれていると思います。
同期が3名いますので、勉強しながらスキルアップして切磋琢磨できる環境です。
菅原誠一(すがわら・せいいち)部長に聞いてみた
4月に新人が入職してきたら
入職するとまず、病院の全体のルールなどを、1週間かけて全職員合同で多職種病院研修を行います。手稲渓仁会病院だけの研修ですが同期が100名くらいになります。
翌週から研修を開始します。クリニカルアーリーエクスポージャー(早期臨床体験学習)では、2週間ずつ4チーム(手術室チーム、血液浄化・内視鏡チーム、体外循環業務チーム、カテ・デバイス業務チーム)を見て学んでもらいます。
研修後に、配属希望アンケートを取って、面談をしてチーム配属を行います。
教育ラダー・クリニカルラダーと業務
教育やクリニカルラダーには力を入れています。全く業務を知らない新人さんを対象として作っていますので、誰が教えても同じ成果があるような教育システムを構築しています。
見て覚えなさいというような教育ではなくて、項目を策定して、ラダーを作って、何が出来るかをチェックして、各個人の臨床技能を把握・教育しています。
透析であれば、「穿刺まで出来ること」を半年とするプランニングをしていますので、透析には配属されたら、穿刺習得までは、透析業務を中心に就きます。
業務のチーム分け
業務は大きく2部門に分けています。「手術室・血液浄化部門」と「循環器・体外循環部門」に分かれます。業務量は一定ではないので、業務負荷を見て、チームのメンバー数には補正を入れていきます。
高橋技士の所属するカテ・デバイス業務の配置は、MitraClipやTAVIなどの高度な業務が出来るスキルが高い先輩方と働いているので、新人の業務習得が早いです。
共通業務はありますか?
全員が必須で覚える業務は、機器管理、透析、急性血液浄化業務、高気圧酸素療法です。集中治療室での一時対応は、全員が出来るようにしています。
全部の業務を経験したいという学生さんも多くいるかと思いますが…
複数の業務がある内で、スペシャリストと言える業務が1つあった方が良いと思います。さらにサブスペシャリティーとしてもう1つ業務あるとなお良いと考えています。全業務を覚えたいと言う方がいれば、取り組んでもいいと思いますしサポートしますが、どの業務もスペシャリストと言えるまで深みを出すのは簡単なことではありません。担当している業務がしっかり出来ていることが、個人の習得業務拡大の前提になります。
認定士や学会参加について
認定士取得のサポートはしています。学会も、札幌の地方会であれば何回でもサポートします。
個人の自主性に委ねてはいますが、研究発表に力を入れようという方針ですので、演題発表に積極参加してもらいたいと思っています。最近では中堅層の発表が増えてきて、そういった環境が醸成されて来ています。発表の意思があれが、手厚くフォローもしますし、自分の習得した成果の発表の場でもありますので、積極に取り組んで欲しいです。
採用にあたって
2024年度の採用方針としては
1.自分の意見を完結明瞭に伝えることが出来る。
2.積極的にコミュニケーションを取ることが出来る。
3.自ら進んで学習し成長する意欲があって基礎力がある。
4.多様性を理解し包接することが出来る。
5.ストレス耐性がある。
適性検査で性格分析したうえで、面接、グループワークで採点する手法をとりました。
北海道のコミュニティは狭いので、我々も学校に教えに行きますし、1年生から見学に来てもらったりしています。しかし、試験では主観的な要素をできるだけ排除したいと考えていますので、グループワークを導入し定量的・客観的に評価するようにしています。
経験者採用の場合は、今持っているスキルを活かして働いてもらえる方を採用しています。全国的に募集を出すようにしていますが、最近では全国各地から応募が来るようになりました。
新卒採用はいつくらいに出すのですか?
今年(2023年)は、実習の終わった8月でした。昨年は7月でしたが、北海道では8月でも早い方です。早く出す事で意識の高い学生が集まって来てくれます。専門試験、小論文はありませんが、病院見学を必須にしています。
実習生の評判は、三次救急の急性期病院なので厳しいのではないか?という認識をされてしまいがちなのですが、実際に来てみると楽しいという意見を多くもらっています。実習では先輩達の仕事を見て自分もこんな臨床工学技士になりたい!そう思って貰えたら成功だと思います。
また学生も楽しいけれど、働くのも楽しいよ!っというのを感じて欲しいと思って接しています。
髙橋技士を採用したいと思った点
道外の学校から見学に来るっていう連絡が来たので、凄いやる気だなと言うのが第一印象でした。現場見学をしてもらうのですが、スタッフ一同、みんな「凄く印象が良かった」という感想を持ちました。
「やる気」があって、「人あたりが良く」て、非常に期待が出来る新人さんという評価でしたので、見学の段階で来で欲しいという意見が多かったです。
この人と一緒に仕事をしたいか?と言うのが最終的な判断となりますので、スタッフみんなと楽しくやって行けそうだなと思って採用しました。
医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 臨床工学部
〒006-0811 北海道札幌市手稲区前田1条12丁目1−40 Tel.011-681-8111
採用情報