【臨床工学技士インタビュー】インターンシップで入職前に現場の雰囲気を確かめてから入職出来る心カテーテル治療13年連続ナンバーワンの千葉西総合病院

医療法人徳洲会 千葉西総合病院

千葉県東葛北部医療圏の2次救急指定医療告示機関、臨床研修指定病院。院長三角和雄はカテーテル治療の世界的権威であり心臓病センターは、経皮的冠動脈形成術、心臓カテーテル治療の件数において、13年連続全国1位にランクされています。

608床、職員1,400名、31診療科をもつ大規模総合病院となり、20名以上の臨床研修医の教育も担っています。国内外から多数の患者が来られる循環器科や関連する心臓血管外科が何かと目立つが、消化器内科、消化器外科、脳神経外科、乳腺外科、形成外科、泌尿器科などの充実ぶりが近年顕著で、 地域の医療需要の高い小児科、産婦人科、呼吸器内科、神経内科も堅実な運営をしています。

当院のCEは2023年の入職者を合わせて56名(男性38名・女性17名・内、事務職男性1名)にて業務に従事しています。

院内の様々な業務を担っており、従事部門は【手術室】・【透析室】・【心臓カテーテル室】・【内視鏡室】・【院内ME】・【高気圧酸素治療室】・【ペースメーカ外来】・【遠隔モニタリング】・【ウォールーム】と、多岐に渡り活躍しています。2019年5月に高気圧酸素治療装置を導入したことで、臨床工学技士として活躍できる、ほぼ全ての分野に従事できる環境が整っています。

山内係長(左)・林科長(右)

臨床工学科を統括する林貞治(はやし・さだはる)科長と山内尚也(やまうち・なおや)係長と勝部愛美(かつべ・まなみ)技士にお話をお伺いした。

山内係長に聞いてみた

臨床工学技士と千葉西総合病院

臨床工学科 係長 山内技士

医療機器開発メーカーで人工心臓の開発に携わりたくて臨床工学技士になりました。当初はメーカーの開発企画職で病院に人工心肺のメーカーとして立ち会で入っていましたが、それがきっかけで病院に転職し、その教授に従事して16年間大学病院にいました。大学病院では10年ほどMICS手術に携わっており、その縁で千葉西総合病院に入職して10年目になります。MICS(体に負担の少ない低侵襲心臓手術)は10年でも長い方で、20年の歴がある臨床工学技士は余りいないと思います。胸骨正中切開のように何十cmも胸を開くのではなく3cmくらい切るだけで手術できるので、難易度の高い手術ですが、患者さんへの負担が少ない術式です。年間に20病院ほど、日本全国から心臓血管外科医、看護師、臨床工学技士のチームで見学に来ています。

業務内容と一日の流れ

臨床に入るのは主に人工心肺ですが、手術室業務(人工心肺・ハイブリッド手術室業務・ステントグラフト・TAVI・補助循環業務・機器管理業務・ナビゲーション業務・da Vinci業務)、内視鏡室業務、院内ME業務(ME機器管理業務・人工呼吸療法業務・医療ガス配管システム・当直業務・ME機器トラブル対応)の管理者をしています。現在は救急救命士も臨床工学科の管轄となっているため、そちらの管理もしています。

日勤定時 8:30~17:00(山内係長は8:00出勤、出勤形態は早出、遅出等、複数の勤務形態があります)

8:00 8時会※(臨床工学科からは林科長のみ)
※各部署の責任者や病院幹部が集まり、その日その日の病院のデータや現状を共有し、病院の方向性や運営方針などを伝えて意思統一を図る。
8:25 病院朝礼(感染対策の変更点、工事が始まる等全職員共通の共有事項)
8:30 手術室ミーティング
8:45 臨床工学科朝礼
9:00 患者さん入室
9:45 タイムアウト
訪問当日の山内係長班の業務
ロボット手術2件、ステント留置術2件、自己血回収業務(産婦人科・整形各1件)、開心2件、ナビゲーション1件7人5部屋の配置、管理と山内係長は人工心肺業務(産婦人科の自己血回収のみ緊急手術)
12:00 お昼休憩
13:00 人工心肺業務
16:30 終業

人工心肺業務につくことが多いので院内一残業が多く45時間。平均的には20時間以下

千葉西総合病院で働いていてよかったと思う事

2020年5月12日新型コロナウィルス患者様専用の独立病棟(C.I.W)をオープン

ロボットでも新しいことが出来る環境があります。症例数もあるし認定医が多いので、施設認定を早く取れます。必要な業務が早く確立できるところです。

林科長に聞いてみた

臨床工学科 科長 林技士

千葉葉西総合病院に入職したら

業務は、山内係長が1.手術室業務(救急救命業務)、2.内視鏡業務、3.院内ME業務を、もう一人の係長が4.透析業務、5.カテーテル業務(デバイス外来業務、アブレーション業務)、6.高気圧酸素治療業務を担当しています。

高気圧酸素は全職員1年目で出来るようになって、院内ME業務は、夜勤でCHDFの透析業務や内視鏡業務などの緊急も対応しないといけませんので、3年目以降に配属される業務になります。新卒配属は残りの4業務に配属をします。

2023年の新入職でいうと、手術室に5名、カテ室に2名、内視鏡に1名、透析に2名の計10名を配置しています。各業務プログラムは、チェックリストを用いて管理して、1人で出来るようになるまで組まれています。ウォールーム(心外、循環器の3病棟と透析室の心電図モニタを24時間・365日監視している業務)、デバイス外来(月火水)、遠隔モニタリング(ペースメーカ等を挿入した約900人の患者のチェック)などの業務もあります。

1つの業務を覚えたら、次の業務というように業務範囲を広げていきますので、中途半端な知識ではなく、しっかりとした業務ができるようになります。幾つかの業務に携わることで、やってみたら面白いと思う業務が出てきたり、やりたいと思っていた業務が不向きだったり、自分に合った業務を見つけることも可能です。

福利厚生等働く環境

専門認定士や施設要件になる資格に資格手当がつくのはグループ統一です。学会は、2022年度は24演題発表しています。各部門1演題は発表する目標設定を設けています。

千葉西総合病院独自の福利厚生といえば、コロナになってから中止していますが、東京ディズニーランドオフィシャルホテルのミラコスタかアンバサダーホテルで忘年会があります。隣の新八柱駅の武蔵野線から乗り換えなく舞浜まで30分ほどで行けます。臨床工学科としては、忘年会や新人歓迎会以外にも、病院裏の21世紀の森という公園でBBQをして部内交流もしていました。

男性も女性も育休は取っていますし、有休消化は消化率75%程度です。全部有休を使ってしまうと、こういうご時世なので病欠が有休で賄えなくなってしまうので、繰越のできない分の有休を消化することを優先し、有休を捨てないように消化しています。夏休みの取得期間は決めていないので、部門の中で調整して重ならないように取得しています。

公休は月によって、8~11日の休み(祝日の数によって)がありますが、公休消化は100%取得できています。ただし、休みの日も急患は出てしまいますので、交代でオンコール体制は行っています。

毎日残業することはないよう、メリハリはつけています。しかし、緊急で帰れないということは少なくありません。ただ、遅出やオンコール以外の人が残るケースはさほど多くはありません。

事前に「この日は野球を観に行くので、残業免除して欲しい」等先に言われていれば、極力調整しています。

インターンシップについて

2~3時間の見学では、全業務を見るのに時間が足りません。一通りの日勤帯業務や病院の雰囲気を見てもらうことを目的に、8月の月曜日~金曜日(お盆の週を除く)の5日間でインターンシップを開催しています。詳しくはホームページをご覧ください。実習は10校ほどの登録があり、毎年10名前後の学生さんが実習されています。

インターンシップに参加してみて 勝部愛美(かつべ・まなみ)技士

勝部技士

|インターンシップに参加した理由

循環器に興味があり、心臓カテーテル件数や人工心肺等の症例数が多い病院だったため、業務内容や実際の勤務を見学したくインターンシップに参加しようと思いました。見学より職場の雰囲気を知れると思ったことも参加した理由の1つです。

|インターンシップに参加した感想

実際業務しているところを見学できたことで、挑戦してみたい業務が具体的にイメージできるようになりました。また、MICS AVRやアブレーションを初めて見学することができ貴重な機会となりました。

|入職して感じたこと

様々な認定資格を取得している臨床工学技士が多数在籍しているため、技術面だけでなく知識面でも指導してくださり、学ぶ事が多いと感じました。現在、希望した部署ではなく透析業務に配属されていますが、患者さんと信頼関係を築きより良い透析を行うために、どうすればよいか日々思考することに大変やりがいを感じています。

インターンシップ募集中です。

採用とグループの環境について

同じタイプを取らないようにしています。野球でいうと、1番から9番を取るイメージです。採用してから適正等を考え、最終配置を決定していきます。

絶対に取らないのは、「返事が出来ない。コミュニケーションが取れない。成績が悪すぎて国家試験に通らなそう。」です。筆記は採用の比重でいえば高くないです。面接重視で人が良ければ取ります。

日本全国から色んな人が集まっています。若い力で回している成長中の組織で、年配者の一言で業務が決まるのではなく共に成長している組織です。

実は、症例が多い病院だから志望するとか、臨床がやりたいというガツガツした受験者は多くなくて、ちゃんと休みが欲しいという学生が多いです。手術室業務・人工心肺は体育会系と言われるのは分かります。夜中の2時3時に呼ばれてもすぐに来てくれないと、患者さんの命がかかっていますから、頭脳より体力勝負というのは否めないですね。実際、女性のスタッフも多いんですけどね。

徳洲会の臨床工学技士1,000人のノウハウが詰まったマニュアルも整備されていますし、e-ラーニングも充実しています。部会のワーキンググループではカテーテル・アンギオの責任者をしています。全国の担当者と協議を重ね、スタッフにとってプラスになるような提案を中心に、企画・検討しています。山内係長は手術室のワーキンググループを担当していて人工心肺の標準回路など検討しています。

タスク・シフト/シェアは各病院で始めるというのもありますが、部会で優先順位をつけ、どのような教育をしてから、臨床工学技士の業務とすると言ったグループでの取り組みをしてます。どこでどのような業務を始めたとか、どういう手技でどういう手順というのも、共有される環境です。

 

取材協力

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