臨床工学技士が自身の経験や同期から聞いた!臨床工学技士あるある!学生編と社会人編を解説!

筆者は、透析クリニックでの勤務経験のある、女性臨床工学技士です。私自身の経験と、同期数名に聞いた話をまとめて、学生編と社会人編に分けて『臨床工学技士あるある』を、ご紹介します。

臨床工学技士あるある 学生編

臨床工学技士を目指す学生あるあるを3つ挙げていきます。

1つ目は、「男性の割合が多い」です。

これは、どの学生さんも共感できるのではないでしょうか?やはり医療系の学科の中でも特に工学的な知識を専門に学ぶ学科ですから、統計的に男性の方が多いという学校は多いですよね。しかし、近年ではドラマやコロナの影響もあり、臨床工学技士の認知度が高まっていることから、臨床工学技士を目指す女性の割合も少しずつ増加傾向にあるようです。実際に私が大学生だった頃も男女比は6:4と前年度の男女比から予想していたよりも多くの女性が在籍していました。

2つ目は、「看護学部の女子と付き合う人が多い」です。

これは、私の大学では毎年一定数見られたことなので、あるあるとして採用させていただきました。1年次の夏あたりには、数組カップルが完成していて、2年次…長くて3年次の頭には別れているというのがもはや恒例のようになっていました。 皆さんの周りにも心当たりのある方はいませんか?またネット上でも多く見かけた話ですが、就職後、看護師さんと結ばれるケースも多いそうなので、学生時代実らなかった方もまだ諦めるのは早いかもしれません。

3つ目は、少し辛辣なことを記しますが、あくまで個人の意見として読んでいただければ幸いです。

学生編最後のあるあるは、ずばり「ME2種に落ちた人は国家試験でも落ちる確率が高い」です。厳密に言えば合否の結果というより“どんな姿勢で試験に臨んだか”が問題だと思います。これは耳が痛い方もいるかと存じますが、私の大学でも、実際にそういった方は結構いましたし、調べてみたところネット上でも同じ意見の方は多くいらっしゃるようだったので、少々心苦しいですが、あるあるとして採用させていただきました。ME2種とは「第2種ME技術実力検定試験」の略称で、ME機器・システムの安全管理を中心とした、医用生体工学の知識を評価するための実力検定試験のことです。国家試験を受けるための必須ライセンスというわけではありませんが、臨床工学技士を目指す学生の中では国家試験の予行練習としてこの試験を受ける方も多いのではないでしょうか?かくいう私も、絶対合格が条件ではなかったものの、2年次にはME2種を受けることを強制されていました。合格しなくても国家試験が受けられるなら、そんな重要視しなくてもいいのでは?と思う方も多いでしょう。その考えが落とし穴です。皆さん何かを成し遂げたい時、本番で成果を出すために、たくさん練習をして本番前にはリハーサルをしますよね?そのリハーサルで手を抜いてしまったら本番はどうなるでしょうか?それと同じことです。

前述したようにME2種は国家試験の予行練習になるくらいレベルの高い試験です。そこで全力を出せなければ、その結果が国家試験に響いてくるのは…もう皆さん想像がつきますよね?ですから、どうか1つ1つの試験を大事にしてください。ME2種でいい結果が出なかった人もその悔しさだけは忘れないでいただき、国家試験の時にその悔しさを糧に全力を出すことが合格への一歩であると、私は考えています。これから国家試験が控えている方、頑張ってください!

臨床工学技士あるある 社会人編

次に、臨床工学技士として就職後のあるあるについて5点挙げていきます。

1つ目は、「機械トラブル=臨床工学技士と認識されがち」です。

これは現場を経験したことのある方であれば、皆さん思い当たることがあるのではないでしょうか?すべては「技師さん(またはMEさん)ちょっと!」から始まります。「テレビのモニターが付かなくなったから直して」「パソコンの調子が悪いからどうにかして」「WordやExcelの使い方を教えて」…などなど。臨床工学技士は医療機器のスペシャリストですから、機械に強いと連想してしまう心理は理解できます。ですが、あくまで“医療機器”のが専門なわけで、家電製品に強いわけでは当然ありません。私が勤務していた透析クリニックでは、この手の依頼では特にパソコン関連のトラブルが多かった記憶があります。近年では医療のICT化に伴い、電子カルテで管理している施設が多いので共感できる方も多いのではないでしょうか?そしてこの話に付随して挙がる

2つ目のあるあるが「機械トラブルとして駆け付けたら術者の単純な操作ミスだった」です。

これも結構あると思います。まぁ、機械トラブルでなくてよかった…という安心はもちろんありますが、あまりに頻度が多いと身が持たない…というのも正直な気持ちだったりします。そのため施設によっては医療機器についての基礎知識を共有するため、臨床工学技士によるスタッフを対象とした勉強会が定期的に開かれています。稀に勉強会を拒絶する方もいらっしゃるようですが、トラブルが減ることで業務効率の改善に繋がるので、勉強会への参加はどのスタッフにおいても大事な仕事の一環だと認識することをお勧めします。

3つ目は、「名前を呼ばれない」です。

改めて文字に起こすと、なんだか悲しい気持ちになりますね…(笑)これはどういうことかといいますと、現場では特定の技士に用がない限りは基本的に『技師(ME・CE)さん』と呼ばれることが本当に多いです。技士というだけで呼び留められるので、私が新人の時も構わず機械トラブルや治療方針の相談をされてあたふたした記憶があります(笑)名前を呼ばれないのは少し悲しいですが、その分早い段階で学べることも多かったのかなと、今では思います。

4つ目は「自己紹介で臨床工学技士と言っても伝わらない」です。

まぁこれは単純に知名度の問題ですね。学生編でも述べたように、最近では臨床工学技士の知名度も高まりつつあるため、今は伝わらないことの方が少ないのかもしれませんが…。あくまで私の経験の中では伝わらないことの方が多く、途中から諦めて「医療関係です」と答えるようにしていました。ちなみに、仮に臨床工学技士を説明しようとしても「透析」がなかなか通じないので苦労した記憶があります。今ではコロナの影響で「人工呼吸器やECMOを操作する人」という印象を持っている人も多いかと思うので、昔ほど説明に困らないのかもしれませんね。

5つ目は、「難しい血管の穿刺を任される」です。

どこの施設にも穿刺が難しい血管の患者さんはいるかと思います。私の勤務していたクリニックでは透析開始時は看護師さんとペアで各ベッドを回るようになっており、交互に穿刺者を交代していたのですが、穿刺困難な患者さんに当たると「技師さんよろしく」と言われることが多々ありました。もちろん穿刺の技術を買ってくれているからこそ、頼ってくださるのだと思いますが…正直ものすごく緊張しちゃいます。また、これは余談ですが、私が勤務していたクリニックには、数年間1度も穿刺ミスをしたことがない「穿刺の神」がいました。私もその後ろ姿を見てたくさん勉強させていただきましたが、その神は技術や経験が豊富なのはもちろんのこと、全ての患者さんの血管の走行や状態を把握していました。技術や経験は簡単には手に入らないものですが、患者さんと向き合うことは経歴を問わないと思います。是非、新人さんや穿刺技術の向上を目指している方がいらっしゃいましたら、参考になればと思います。

まとめ

今回は『臨床工学技士あるある』学生編と社会人編をご紹介させていただきました。改めて考えてみるとたくさんあるものですね。きっと皆さんのご経験ごとに、様々なあるあるが存在しているのではないかと思います。今回の記事の中に1つでも皆さんが共感できる内容がありましたら幸いです。