【臨床工学技士インタビュー】徳洲会の原点「離島でも最先端の医療を」を実践する中部徳洲会病院で先端医療を幅広く対応できる技士になる

中部徳洲会病院

中部徳洲会病院は1988年4月1日に沖縄市に徳洲会グループの基本理念である「生命だけは平等だ」、「生命を安心して預けられる病院」、「健康と生活を守る病院」のもとで開設。

2016年4月1日に旧病院より南西2キロほどの北中城村へ移転、病院の規模を大幅に拡大。敷地全体が海抜95mの高台に位置することから津波被害の心配はなく、同エリアは大規模災害時の防災拠点(医療、物流、避難所)としても大きな期待が寄せられている。

12階建ての屋上には、県内最大級のヘリポートを設置し、大規模災害時の対応、本島北部地域・離島の高度救命医療が必要な救急患者様への迅速な対応も可能となり、救急医療の守備範囲も拡大。

“最先端医療”および“がん診療”にも力を入れており、各種最先端手術にも対応可能な移動型CT※ を備えたハイブリッド手術室、精密で侵襲の少ない手術を可能にした手術支援ロボットのda Vinci、最先端の心臓カテーテル治療を行うカテーテル室そして血液疾患に対する骨髄移植のための無菌室など最新の医療設備・機器を備え、そして各領域の専門医師および医療スタッフの充実ともに病院機能も拡充。

沖縄の沖縄の先端医療病院で働く又吉美重(またよし・よしえ)副技士長にお聞きした。

※CT(Computed Tomography、コンピュータ断層撮影の略)。人体の輪切り画像をコンピュータによって再構成する装置。

又吉美重 副技士長に聞いてみた

又吉 副技士長

Q.臨床工学技士になろうと思ったきっかけは

臨床検査技師になろうと思い本土の短大で検査技師を取得したのですが、病院実習の時に医療職に医療とは全く異なる工学系の仕事があることを知り興味を抱きました。

ICUや手術室など活躍の幅が広い臨床工学技士に惹かれて、臨床検査技師免許取得後、もう1年臨床工学技士専攻の過程に通い臨床工学技士の資格を取得しました。

Q.何故、徳洲会中部病院を志望されたのでしょうか

学校を卒業したのが2001年、沖縄県に戻ることは決めており資格が生かせる幅広い業務の行える総合病院を探していました。

タイミングよく中部徳洲会病院が募集をしていたという単純な理由から当院を選びました。私が入職した当初は透析・心外が主な仕事でしたが、今後の工学技士業務の拡大を感じさせる印象の病院でした。

Q.卒業後、入職されて何かギャップはありましたか

チーム医療の重要さと言うのは現場に出てみないと分からないですね。学生の頃もよくチーム医療とは耳にしていましたが、患者さんの治療を行うには、やはりそれぞれの専門分野で協力し合い、最善の医療体制で臨むその姿勢は現場にでてみないと分からないものでした。それぞれの職種が一人の患者さんの治療・ケアをするので、コミュニケーション能力がすごく大事になってきます。コミュニケーションが取れないと業務にならないと言う点は、入職するまでは考えもしなかったことですね。

Q.又吉副技士長の1日の流れを教えてください

定時は8時~16時30分

8:00~8:15 朝礼
8:15~8:30 申し送りなど確認
8:30~12:00 各業務に配置(ICU室業務)
ICU10床の医療機器日常点検
人工呼吸器日常点検・CHDFの回路交換・生命維持装置(ECMO、ABP)の日常点検、リハビリテーションの呼吸器サポート・ICU設置機器の定期点検等
12:00~13:00 お昼休憩(1時間)
13:00~16:00 中央ME機器管理室にて機器管理
ICU対応
16:00 準深夜へ申し送り
16:20 終礼
16:30 終業

16:30以降は当直が担当
準深は16:00~翌8:30

手術が長引いて引き継げないと言うような場合を除いては、準深に引き継ぐので、残業は全く無いとは言いませんが、殆どありません。準深を作ったことでかなり残業が減りました。

※オンコールは心カテ業務、手術室業務(心臓外科業務、麻酔補助業務)

入職から研修終了まで

入職し4月~11月頃までは透析業務の教育となります。透析がある程度独り立ちができるようになる11月頃からは系列の透析クリニック応援がシフトに入ります。そして、その翌年の1月頃から高気圧酸素治療業務を覚えてもらって、勤務配置できるようにします。

2年目から医療機器管理業務に就いてもらって、研修1年半程度で、共通業務としている高気圧酸素治療業務、医療機器管理業務、透析業務が出来たら、準深に入ります。

準深も2名業務体制で、中堅と新人と言うような組み合わせになりますので、ある程度教育が進んだ時点で、業務評価し準深に入れるようになります。

研修後の業務配置について

業務は8種類に分けています。①透析(+系列3クリニックへ派遣)、②内視鏡、③不整脈治療、④心カテ、⑤医療機器管理、⑥高気圧酸素治療、⑦手術室、⑧集中治療室でスケジュールを組みます。

各業務に業務管理者を配置しその管理者にて業務管理を行ってもらいます。部員は現在29名、すべての業務に携わるのは難しいのですが1人5~6業務程度こなせるようになっており、1日の業務は①~③と④~⑧の2グループに分けて管理しています。

準深に入るには高気圧酸素治療、医療機器管理、透析が必須になります。その3業務は全員が出来る業務です。その後、それ以外の業務の教育課程を得て特に極めたい業務をスペシャリストとして修得してもらいます。

学習支援

必ず、認定士を取らないといけないと言うような事は無いのですが、目標の一つとして認定士や日臨工の専門認定士などをとるように声掛けはしています。施設基準になるような体外循環認定士や、日臨工の専門認定士を取得すると、手当が支給される資格もありますが、その分貢献もしていただきます。

学会参加も毎年12月~1月かけて希望を取り計画を立て、病院側へ申請し予算の確保をしていただき参加しています。

中部徳洲会病院だけの福利厚生特典

イオンモールで、職員割引の特典があります。シークレットセールの通知がもらえたりします。
福利厚生は、徳洲会で一律決まっていますので、安心して働ける環境です。

病院の特徴と見学問合せ

中部南部という地域ではなく、総合病院ということで、見学に来られる学生さんが多いです。

高気圧酸素治療は県内で持っている施設が多くないですし、アブレーション治療、da Vinci、navigationなど、総合病院の中でも先端医療業務、先端医療機器が揃っている病院となりますので、幅広く対応できる技士になりたいという方が多いです。心カテは県内トップクラスの件数がありますので、症例が多く経験値がつめる病院でもあります。内視鏡業務もあります。

沖縄にも養成校が出来たので、採用募集で人が集まらないと言うような事は無くなりました。徳洲会は全国に病院があるため他の病院(離島も含め)で応援が必要な場合は応援対応もしています。

徳洲会は離島支援に力を入れていますので、離島にも沖縄本土と同様の医療を受けられるような支援をするために医療機器の融通もおこなっています。

 

取材協力

医療法人 徳洲会 中部徳洲会病院 CE(臨床工学技士)部門
〒901-2393 沖縄県中頭郡北中城村比嘉801番地 Tel.098-932-1110
CE(臨床工学技士)部門・募集要項