岡山済生会総合病院
岡山済生会総合病院は急性期医療を担う地域中核病院として、「救急医療」と「入院医療」に積極的に取り組んでいます。
救急医療は、CTやIVR(※)センターなどの設備の充実とICU(10床)およびHCU(16床)の入院施設を整備し、関連する複数の診療科や多職種など病院の総力を挙げて取り組むようにしています。
専門医療については、地域がん診療連携拠点病院として先進的ながん治療を積極的に推進しており、ロボット支援手術や最新のがん化学療法も行っています。緩和ケア病棟(25床)ではがん患者さんやご家族のQOL(Quality of Life)の向上に努めています。さらに、「内視鏡センター」「肝臓病センター」「呼吸器病センター」「腎臓病・糖尿病総合医療センター」「IVRセンター」「リウマチ・膠原病センター」など、センター医療を中心に質の高い専門医療を実施しています。また、災害拠点病院、岡山県へき地医療拠点病院としても活躍しています。
内視鏡外科手術や麻酔アシスタントなど新しい業務を展開する臨床工学科の佐々木新(ささき・しん)技士長補佐にお話をお伺いしました。
※ IVR(Interventional Radiology)画像下治療のこと。X線、CT、超音波などの画像診断装置でからだの中を透過して、カテーテルや針を入れて、標的となる病気の治療を行う。
臨床工学技士を目指したきっかけ
臨床工学科 技士長補佐 佐々木技士
両親は医療関係者ではないのですが、進学するなら手に職をということで、姉二人の影響もあり、医療系の資格取得を勧められていました。私は数学と物理が得意な理系高校生で、得意科目を活かせる資格を探したところ、臨床工学技士を見つけました。学校も通える範囲にあったので臨床工学技士を目指しました。
岡山済生会総合病院へ入職
総合病院で色々なことを学べる環境で働きたいと思っていました。ゼミの先生の紹介で、卒業生の方が多く働いているという安心感もあり、周りの病院の評判も良かったので、岡山済生会総合病院を希望受験しました。
岡山市は公的医療機関や大学病院が多くあり、医療が充実した地域です。また、JR岡山駅は新幹線の停車駅というだけではなく、四国に繋がる電車が通っていますので、四国から通勤するスタッフもいます。
佐々木技士長補佐の一日
平日の就業時間 8:30~17:15(途中休憩時間45分)
8:30 朝礼
(始業前や終業後に業務をした場合は、1分単位で残業を申請できます)
・中央機器管理室にて当直者からの申送り
・ICUで人工呼吸器のラウンド
・ICUの多職種カンファレンス(治療経過報告、共有等)
11:00 お昼休憩
12:00 人工呼吸器病棟ラウンド、中央機器管理室で各種点検や修理、医療機器メーカーと折衝・書類整理など。その他、病棟トラブル対応、事務作業など。心血管カテーテルの緊急対応等
17:15 終業
平均残業時間:約10時間
当科では当直体制を敷いており、現在17名のスタッフが当直を行っています。当直回数は、ひと月に1~2回程になります。
入職後の研修
主たる業務として、中央機器管理室(CE室)2名、手術室6名、血液浄化療法室3名、外来腎センター10名、内視鏡センター2名、吉備病院2名にスタッフを配置し、それに技士長1名(資材課長兼任)を合わせて26名(女性5名)の臨床工学技士が在籍しています。以前は、人数が少なく忙しい勤務が続いていたため、女性にとって働きやすい環境とは言えませんでした。
現在は徐々に人数が増えていることや働き方改革の効果で、少しずつ良くなっている状況です。今後も働きやすい環境を目指すとともに、女性スタッフの割合を増やしていきたいと思います。
入職後の新人研修として、まずは各部署を1~2週間ずつでローテーションします。ローテーションが終わったら配置部署に就き、その部署で独り立ちできるまで先輩と一緒に業務を覚えていきます。基本的な目標として、配置部署(主業務)で業務を覚えていき独り立ちするのに1年半としています。
その後、2年目の後半からは人工呼吸器の管理・操作を中心に、中央管理している医療機器の管理、手術室の麻酔器の準備、ICUでの人工呼吸器対応など当直に必要な業務を習得し、3年目を目標に当直に入ってもらいます。
3年目以降は、主業務に深みを持たせることに加えて、2つ3つと+αで他業務が出来るよう人材育成を行っていきます。
一例ですが私は、手術室業務を主業務としている中で、+αとして心臓ペースメーカ、心血管カテーテル、内視鏡、中央機器管理等を行っています。
病院の学ぶ環境、支援
2021年の技士法改正に伴う厚生労働大臣指定の研修(告示研修)は、受講費用と旅費交通費を病院に全額支弁してもらっています。学会やセミナー参加についても発表者に関しては回数制限なく、その費用を全額支弁してもらっていますので、スタッフの学び、取り組む環境は整っています。
学会発表の実績として2022年度は、全国学会に4演題、地方学会に7演題を発表しました。
その他、当院ではCEの職域拡大にも取り組んでいて、2016年からは内視鏡外科手術の術野の視野を確保するためのカメラ操作、整形インプラント手術の機器・材料の管理と清潔補助を行っています。また、最近では麻酔アシスタント業務を開始しました。新たな業務を行うにあたり、先駆けて取り組まれている施設に見学へ行った際も、病院からいろいろとサポートを受けながら進めることができ、スタッフのモチベーション向上につながっています。
福利厚生
住宅手当や通勤交通費など一般的な諸手当はもちろんのこと、温泉施設やスポーツジム等の法人割引もあります。
現在スタッフ1名が育休休業を取得中です。当院では最大で2年間は育児休業が認められていますので、2年の間にいつ復職というのは、復職者判断に任せています。復帰後の勤務についてももちろん考慮しており、当直やオンコールの免除、時短勤務も可能です。有給休暇はスタッフによって取得日数に差はありますが、リフレッシュ休暇と合わせて、平均して年間で10日くらいを取得しています。
採用したい人
先入観なくいろいろなことに興味を持って欲しいです。時代のニーズによって新しい業務が出てきます。常に変化がみられる医療情勢の下で、失敗を恐れず前向きにチャレンジする人財を求めています。突出した成績は必要なく、国家試験に合格できれば十分です。採用試験は、SPI(適性検査)と小論文、面接評価になりますが、事前の施設見学を必須でお願いしております。先輩の働く様子や、病院の雰囲気を見て、自分に合っているかをご自身で確認して欲しいです。そこで自分に合ってると思ったら受けていただければと思います。
ぜひ、興味のある方は当院HPの採用情報からお問い合わせください。