そこまで言う?臨床工学技士から見た看護師との話。臨床工学技士から看護師はどう見える?

医療現場で医療機器を扱うのは、臨床工学技士ですが、実際に操作する機器は、生命維持装置が多いです。生命維持管理装置が使用される患者さんの場合は症状が限定的な患者さんが多く、一般的な患者さんには使用されないため臨床工学技士が携わる場面が多いです。しかし、そのほかの一般的な医療機器である輸液ポンプなどの患者さんの治療に使用される医療機器は看護師の方が使用頻度が高いです。機器の場合は操作も単純であるため臨床工学技士はメンテナンスを行い、いつでも安全に使用できる状態にしておくことが業務です。では実際に看護師の医療機器の知識は臨床工学技士と比べてどのくらい違いがあるか、どういったことが困るかという点について紹介していきたいと思います。

看護師と臨床工学技士の知識の違いとは

看護師の医療機器の知識は、臨床工学技士と比べてどのくらい違いがあるかという点ですが、結論から申し上げますと、看護師にもよりますが、知識がない場合が多いです。看護師にも自分で全て対応する看護師もいれば、臨床工学技士に連絡してくる看護師など様々ですが、共通しているのは知識がない場合が多く、原因を取り除けば消えるはずのアラームがうるさいという連絡が来るときもあります。また、生命維持管理装置である人工透析装置は臨床工学技士と看護師が最も関わる機会があるため、知識の差を感じるときはよくあります。

人工透析装置でのトラブルは回路が原因の簡単なものから透析困難となる致命的なトラブルまで様々あり、そのすべてを臨床工学技士で対応します。しかし、看護師は患者さんの急変時などに非常に頼りになりますし、そのほかの患者さんの対応も積極的に行ってくれるため、臨床工学技士と看護師で協力して透析治療を対応していくという流れです。医療機器に対する知識不足を看護師に感じることもありますが、看護師も臨床工学技士に患者さんの対応について知識不足を感じることがあると思うので、お互いに長所と短所を補っていくことが治療の際には重要ですので、看護師の医療機器に対する知識不足は特に問題ないと思います。

臨床工学技士が看護師との関わりで困る事

次に、どういったことが困るかという点についてですが、結論から申し上げますと、看護師の心無い対応です。私が勤務している病院では輸液ポンプの場合、気泡アラームや閉塞アラームが鳴った際に回路とクランプを確認して異常がなければ連絡が来ることが多いです。しかし、機器の問題ではない場合がほとんどで、点検は行うのですが異常が出たことは私の経験上ありません。臨床工学技士という仕事は医療機器に異常が起きないように貸出前、返却後、1年に1回定期点検を行うので、医療機器は基本的に問題なく使用できます。臨床工学技士としては、医療機器の安全を保障して貸し出しているため自信がありますが、看護師さんは自分の手技に問題がないと思い込んでいる場合が多いため、機器に問題がないことを伝えると不満げにされることも多々あります。なお、輸液ポンプに異常がないのにアラームが鳴る場合は患者さんが腕や脚など点滴の入る部位を曲げていることがほとんどです。このような認識の違いがある場合は適切な対応をしたとしても困ります。

また、人工呼吸器の人工鼻の交換時期が過ぎていた場合なども、交換をお願いするのですが、無視される場合もたまにあります。もちろんこの点は看護師が悪いというよりも、その人が悪いと思うのですが、そういった場合は本当に、人工鼻を交換してくれるのかと非常に不安になります。このような感じで困った点というのは医療機器の知識の有無ということよりも、看護師の態度に困ることが多いです。病院内ではやはり医師の次に看護師が偉いという風潮がまだあると思います。私が勤務している病院も臨床工学技士が下に見られることが多いです。もちろん対等にみてくれる看護師もいますが病院内での活躍の幅が狭い臨床工学技士ほど下に見られがちです。また、認知度の低さも原因かと思います。臨床工学技士であるにも関わらず、病棟のテレビがつかないという連絡や電気が切れたという連絡が来る場合もあります。このような連絡がくるとやはり認知されていないのかなと感じます。

臨床工学技士が看護師に心がけてほしいこと

医療機器の知識に差があるのは職業上当然といっても過言ではありません。看護師は、医療機器の操作方法以外知らないと思うことで知識の差がこの程度あるのかと判断することができます。なので、操作方法で質問された場合に対応するのはもちろんですが、それ以外の医療機器の対応はすべて臨床工学技士任せになると思っていいです。また、困った点については看護師の心無い言葉や対応が多いです。正直医療機器の対応で、医療機器の知識の差が原因で看護師に困ったことはありません。なぜなら、臨床工学技士としてそれは当然のことであると思いますし、医療機器について精一杯できる対応を行うことがこの業務の主目的であるからです。ですので、看護師に些細な医療機器のトラブルが起きた際に連絡をもらい、それがすぐに直せても困ることはありません。しかし、看護師の対応に困ることはあり、仕事中に悲しい思いもしたことも何度かあります。すべての病院でこうなるとは思いませんし、実際一部の看護師だけで、心優しい看護師も多くいます。臨床工学技士の認知度が高まってくればこのようなことも少なくなるのではと個人的には思っていますので、臨床工学技士の認知度が高まるように業務拡大や必要性の発信ができればよりよい環境になるのではないかと考えています。