臨床工学技士を目指す人必見!臨床工学技士国家試験の合格率と国家試験の対策や勉強方法を解説①

臨床工学技士を目指すのであれば『臨床工学技士国家試験』は何としても突破しなければならない壁ですよね。筆者は4年前の第32回の国試国家試験(以後、国試という)を受験し、臨床工学技士免許を取得しました。今回は臨床工学技士を目指す人に向けて、将来的に国試を受験する全ての人を対象に、私自身の経験を元にした国試対策についてご紹介します。

国試の概要

臨床工学技士の国試での試験科目は、医学概論・臨床医学総論・医用電気電子工学・医用機械工学・生体物性材料工学・生体機能代行装置学・医用治療機器学・生体計測装置学・医用機器安全管理学と大きく9つの分野に分かれています。試験時間は午前・午後で計2時間半となっており、問題数は、それぞれ90問ずつの計180問となっています。合格ラインはおよそ6割とされているため、108点以上取れれば合格です。今年度(令和4年第35回)実施された国試では合格率80.5%です。少々耳が痛い話ですが、一度、国試の結果が不合格で再受験した場合の合格率は非常に低い傾向があります。1度不合格になると、施設によっては就職でも不利になる場合がありますので、1発で合格できるよう頑張りましょう!

国試対策 開始時期について

国試対策についてですが、私が本格的に国試の過去問を解き始めたのは、9月頃だったと思います。大学のカリキュラム的に、4年次に上がると、授業内容も国試対策に移行していましたし、定期的に模擬試験も行われていたので、4年の初めから国試対策には触れていました。ですが、同時に卒業論文の作成や就職活動にも取り組む必要があるので、スケジュール的に結構厳しかったです。私は、なかなか点数が伸びなかったため、就職活動は後回しにして、国試対策に集中していました。国試に不安がある方は、第一志望の施設がある場合を除いて、国試に集中することを優先しましょう。私の周りは、最低でも12月から勉強を始めていたと思います。勉強の得意不得意は人それぞれですので、私のオススメする勉強方法を参考に、逆算して勉強計画を立てて頂ければと思います。

国試対策 オススメの参考書

使用していた参考書についてですが、私が実際に使用していた参考書は、『臨床工学技士国試問題解説集』5年分とME2種で使用した『第2種ME技術実力検定試験マスター・ノート』と授業で使っていた教材。中でも『臨床工学技士標準テキスト』は特に役に立った記憶があります。過去問は、5年以上遡ると出題傾向が変わってくる可能性があるので、過去5年分を何度も繰り返す勉強法が良いと思います。また過去問は国試対策をするためには欠かせないですが、その他の参考書には相性があるかと思いますので、ここで紹介した参考書が合わなくてもきっと自分に合う参考書があるはずですので、是非探してみてくださいね!

国試対策 3ステップで合格!私流オススメの勉強方法

最後は、オススメの勉強方法についてです。国試を突破する鍵は、ずばり!「知識」と「慣れ」です。「知識」は分かるけど「慣れ」って?と疑問を持った方もいるかと思います。理由は簡単です。国試には単純な知識問題だけではなく、ひっかけ問題も出題されるからです。そのためには出題傾向を把握することが重要になりますが、分析をするのは面倒…という方には、とにかく繰り返し問題を解いて感覚で慣れてしまうことをオススメします。

ステップ1

答えを隠してクイズ感覚で解き、解説をささっと流し読む』を繰り返します。重要なのは“テンポ良く”解く事です。知識を詰め込もうとせずに、「へ~そうなんだ」程度に流してください。何度か繰り返していくうちに見覚えのある問題が増えてきたら次のステップに移りましょう。

ステップ2

解説をよく読み、キーワードを調べてマーカーや関連ワードなどを書き込む』です。「この問題見覚えあるな」という問題は特によく読みましょう。ちなみに、勉強の際の調べ物はネットより参考書を使って調べる事をオススメします。参考書に書き込むかどうかは好みが分かれますが、私は、試験勉強に関してはなるべく参考書に書き込んで、自分が勉強してきた形跡を残すようにしています。理由は、本番前のモチベーションに繋げるためです。またマーカーが引けるということは何が重要なのか理解できているという事ですので、自身の理解度を客観視するためにも有効ではないでしょうか?一通りの問題にマークしつくしたら、最後のステップに進みます。

ステップ3

自身の知識を駆使して問題を解いていく』です。あとは、繰り返し解いて知識を定着させていきましょう。この時のポイントは、何度も間違えてしまう問題には印を付け、どうしても覚えられない知識はノートにまとめていく事です。ここまでくると本番も見えかけてきています。本番が近くなってきたら、印をつけた苦手問題を重点的に解く事でより効率的に時間を使うことが出来ます。作ったノートは移動時間や本番の休憩時間に振り返るといいかと思います。一人でできる勉強方法は以上ですが、もう一つ合格率を上げるオススメの方法があります。それは同級生と一緒に勉強することです。1人での勉強ではインプットがメインですが、同級生とお互いに問題を出し合ったり、分からない所を聞いて教え合うことで、アウトプットを通して自分の理解度を確認したり、新しい発見にも繋げることが出来ます。これは本当にオススメですので、是非お試しください。

国試に向けて、入学時から意識すべきポイント

国試の対策を始める時期は、最終学年からという方が多いかと思いますが、実際に国試の勉強を始めて、私がやっておいて良かったと思ったことや、後悔したことをご紹介します。やっておいて良かったことは『ME2種』です。ME2種とは「第2種ME技術実力検定試験」の略称で、国試を受けるための必須ライセンスというわけではありませんが、国試の予行練習としてこの試験を受ける方は非常に多いです。合否の結果はともかく、ME2種を通して、自身の勉強方法の見直しと確立をさせるための機会として、受験してよかったと思いました。後悔したことは『学内実習や病院実習での経験をもっと明確に記憶していればよかったと思った事』です。勉強する中で、ただがむしゃらに知識を詰め込むのは容易ではありません。自身が経験したことであれば、それだけ知識の引き出しが多く、思い出しやすくなります。私は、お恥ずかしながら真面目な方ではなかったので、実習で経験したことやレポートにまとめたことを割とすぐに忘れてしまっていたのですが、知識の引き出しが少なく、とても苦労した記憶があります。これから実習等が控えている方々には、1つ1つの経験を大事にしてほしいです。

まとめ

以上、私が実際にやっていた勉強方法です。いくら勉強して知識を詰め込んだからと言って、本番で発揮できなければ意味がありません。国試の控えている年は特に、体調管理に気を遣うようにしましょう。気持ちが負けてしまっては、良い結果も逃げてしまいます。本番の前日には書きつぶした参考書や作ったノートを眺めて、自分が努力してきた跡を振り返ってみてはいかがでしょうか?私が参考書に書き込むのはこのためです。自分の努力が目見えることで自信を持って本番に臨めるためオススメします。最後に、私の好きな言葉を紹介します。「為せば成る為さねば成らぬ何事も」やってきたことはきっと結果に繋がります。皆さんにいい結果が届くよう願っています。頑張ってください。