社会医療法人財団大和会 武蔵村山病院
「生命の尊厳と人間愛」を理念に掲げ、地域医療・介護機関と連携し地域に信頼される病院を目指す武蔵村山病院。病院機能評価や働きたい病院評価の認定を受けた。
武蔵村山病院の臨床工学技士に「臨床工学技士になった理由、きっかけ」「武蔵村山病院を選んだ理由」「やりがい」「業務内容」を聞いてみた。
臨床工学技士になった理由やきっかけを教えてください。
臨床工学室所属 荻原光順氏
高校卒業後の進路を考える頃に、大学に入学して何かをやりたいという気持ちはありませんでした。そんな時、看護師である母親と進学について話をし、初めて「臨床工学技士」という職種を知りました。「手に職をつけた方が良い」ということと、私自身が、機械いじりが好きな性格ということもあり、工学系が向いていると思いアドバイスをしてくれたのだと思います。その後、臨床工学科のある大学に進学し、臨床工学技士の資格を取得しました。
就活で数箇所、病院を周られたと思います。武蔵村山病院を選んだ理由を教えてください。
実習で行った病院は、色々と教えてくれる環境はあったのですが、グループ採用ということで、どこの病院に配属になるか分からなかったため、自分の希望に合う病院をインターネットで検索しました。数箇所見学へ行った中に武蔵村山病院があり、病院の雰囲気が良く、皆さんが優しいということもあり、ここで働きたいと思い就職しました。実際に入ってみると先輩は、色々と親身に相談に乗ってくれるし、看護師や他職種の方も優しいので、とても働きやすい病院でした。
現在の業務内容を教えてください。
透析室業務とMEセンターでの輸液・シリンジポンプや人工呼吸器などの機器管理業務が主な業務です。他は週一くらいのローテーションでOPE室業務を担当しています。どの診療科で、どのような手術をして、どのような臨床工学技士の業務を行ったのか等、臨床工学技士で情報共有を徹底しています。毎朝、透析室で朝礼をする前に臨床工学技士だけ集まって朝礼をして、情報共有の時間を作っています。
また、透析センターでは透析室看護師と、OPE室ではOPE室看護師と連携して、安全に治療を行えるように努めています。特に、必須な勉強会の他にも使用頻度の高い医療機器は、定期的に医療機器勉強会を開催して、看護師にも参加してもらっています。
1日のスケジュールを教えてください
8:30~17:00 定時
7:30 起床
8:00 出発(自転車通勤で20分くらい。始業10分前到着)
8:30 業務開始
受け入れ準備
8:50 透析開始(透析4時間。最後の患者さんは14時くらいに退室)
15:00 月水金は夜間の透析開始
17:00 火木土は定時退勤
20:00 月水金は午後の透析(15~19時過ぎ)があるのでこの時間に退勤
時差出勤などもあり、休みは4週8休制です。休みの日は、以前は地元の友人と旅行をしたり、遊びに行ったりしてましたが、コロナ禍のために家でやれる趣味を増やし、料理をするようになりました。最近はハンバーグが作れるようになりました(笑)
臨床工学技士になられてみていかがでしたか?
入職する前は、臨床工学技士は病院内の医療機器担当で、人とはあまり関わらないようなイメージを持っていました。実習先に行った時も、機械の管理を主な業務としている臨床工学技士が多く、患者さんとは関わらないことが多かったのです。しかし、今自分がメインで行っている透析室業務は患者さんと接する機会が多くあり、実習先での経験とはギャップがありました。色々な患者さんと関わりながら業務が出来ることは、自分には合っていると感じ、良い職場にめぐり合えたと捉えております。
どんなところにやりがいを感じますか?
院内でのME機器トラブルが起きた時に対応して、トラブル解決することができると、チーム医療の一端を担っていると感じることができて、やりがいを感じます。また、先ほどもお話した通り、今自分が担当している透析業務は、患者さんと顔を合わせる回数が多くなることもあって、「いつも有難う」と声をかけていただいたり、苦手だった穿刺(せんし:血液を体外に導くために針を刺すこと)も上達してきて「上手くなったね」や「今なら任せられるよ」と言っていただけることが嬉しく、「患者さんに感謝される」ということがやりがいかもしれません。
大変なことや、つらいと思ったことはありますか?
緊急対応が必要な現場では、新人の頃は、瞬時に対応することが困難でした。しかし、先輩から教わり、時には助けていただいたりして、成長することが出来たと思います。今は緊急時でも、落ち着いて業務が出来るようになっています。
モチベーション維持の為に、している事はありますか?
患者さんと毎日色々な話をしたり、機器管理を行ったり、日々の業務に満足しています。今の業務内容が、自分に合っていると感じていることもあってか、モチベーションが下がることはありません。ですので、モチベーションの維持で、特に何かをしているということはありません。そのような職場環境に感謝しています。
将来的な目標があれば教えてください。
まだまだ先輩達にお世話になっている部分が沢山ありますが、自分が就職した当時、色々と教えていただいた先輩がいるのですが、優しく、分かりやすく、困った時に相談が出来る関係でしたので、そのような先輩のようになりたいです。今はまだ後輩がいないのですが、新人が入ってきたら、先輩達にお世話になったことをちゃんと返せるように、教える立場に立ち、チームの一員として、しっかりと後輩を指導できるようになりたいと思っています。
臨床工学技士を目指している方にアドバイスはありますか?
透析業務とは違い、オペ室業務や病棟業務の場合は患者さんと関わることはほとんど無く、「治療を安全に行うための準備」が多いです。患者さんと関わるより、機械いじりが好きな人は、このような業務が合うのではないかと思います。ですが、この機械いじりも「患者さんの安全につながる業務」と思っていただければ、イメージからかけ離れることはないと思います。
ただ、人工心肺を回す機会が無い等、病院により業務は異なります。ちょっと極端かも知れませんが、自分の知り合いの病院では、院内の机や椅子なども全部臨床工学技士が管理していると聞いています。また違う病院では、オペ室に入り医師の横で介助するなど患者さんに関わるような業務を行う病院もあります。結局、病院により業務の範囲は違うので、広い視野で「どんな業務があるのか」を病院毎に知っておいたほうが、やりたいことが出来るのではないかと思います。
勉強中の学生の方に、学生時代にやっておいたほうが良いことがあればアドバイスをお願いします。
常に勉強する癖を学生時代に身に付けておくと、就職した後も、勉強する時間を上手に作れるようになります。また、資格を持っていると自分の自信につながると思います。学生のうちに取れる資格で、難関な資格として有名なのが「第1種ME技術実力検定試験」です。受験資格に実務経験はいらないので、学生でも受験は可能なのですが、これに合格出来たら凄いことです。間違いなく引く手あまたと思います。是非挑戦してみてください。
社会医療法人財団大和会 武蔵村山病院 臨床工学室
〒208-0022 東京都武蔵村山市榎1-1-5 TEL.042-566-3111(代表)
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