【臨床工学技士インタビュー】約300名の臨床工学技士が所属する上尾中央医科グループ(AMG)、の臨床工学部部長で、グループ基幹病院である上尾中央総合病院 臨床工学科の青木科長(血液浄化係)と、松崎技士(呼吸循環係)に聞いてみた。

上尾中央医科グループ (Ageo Medical Group:AMG)

昭和38年12月に上尾市立病院を引き継ぎ産声をあげた上尾中央総合病院は開院59年(2022年12月時点)。埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、茨城県、山梨県、群馬県の1都6県に28病院と21介護老人保健施設等を開設し、地域でのハイレベル・トータルケア(保健・医療・福祉)の提供を目指し、教育を通し地域に貢献するため上尾中央看護専門学校、上尾中央医療専門学校、横浜中央看護専門学校を開設し、看護師や理学療法士などを数多く輩出。
19,540人(2022年4月現在。非常勤含む)の職員数となる現在も「高度な医療で愛し愛される病院・施設」は、一人ひとりの職員に脈々と受け継がれ実践されている。

約300名の臨床工学技士が所属する上尾中央医科グループ (Ageo Medical Group:AMG)、の臨床工学部部長で、グループ基幹病院である上尾中央総合病院 臨床工学科の青木智博(あおき・ともひろ) 科長(血液浄化係)と、松崎雄大(まつざき・ゆうだい)技士(呼吸循環係)に聞いてみた。

 

松崎雄大 技士 (呼吸循環係)

松崎 技士

臨床工学技士になろうと思ったきっかけは?

元々医療職には興味があって、看護師か臨床検査技師になりたいと思って医療職に就ける学校に進学したいと思っていました。医療職の中でも、医療機器の進化によって、領域が発展しそうな臨床工学技士と言う仕事を見つけて、興味が深まり、臨床工学科のある大学へ進路を取りました。

 

何故、上尾中央総合病院を選ばれたのですか?

実習は、他の病院だったのですが、卒業生講和で上尾中央総合病院の話を聞いて、興味を持ち、見学に来ました。目をひいたのは、da Vinci(ダ・ヴィンチ:手術支援ロボット)など最先端の医療機器に興味を持ったのと、一番の決め手は、人間関係が良いことでした。それに、家からも近いことも決め手です。グループ規模では、臨床工学技士が多いので、学びが多そうな病院だと言うところにもひかれました。

 

2年目と言うことですがどのような業務に就かれているのでしょうか?

私は呼吸循環器部門の2年目なので、心臓カテーテルの治療を担当させてもらっています。入職から2年間は研修と言うことで、3年目からオンコールに入れるような教育スケジュールになっています。入職から半年は、病棟の機器管理(保守・点検)と呼吸器のラウンド(稼働中点検)を行います。その後に半年で心カテ室での心臓カテーテル検査に従事して、2年目は心臓カテーテル治療を担当して、独り立ちとなります。

 

松崎技士の1日のお仕事の流れを教えてください

定時は8:30~17:30です。
カテ室の日は、数例症例がありますので、基本、カテ室に入りっぱなしになります。
お昼は、1時間取れています。

8:30 朝礼
8:35 セッティング、機器の始業前点検
9:00 患者入室(検査・治療)
12:00 お昼
13:00 患者入室(検査・治療)
15:30 症例の振り返り
17:30 終業
松崎技士は、カテ室業務、手術室業務、病棟業務を担当

 

やりがいと目標について教えてください。

カテ室のやりがいは、検査で原因も究明できますし、治療で良くなります。
患者さんに喜んで頂けるような治療が出来ていることにやりがいを感じます。
近い所での目標は、呼吸療法認定士を取ることです。
先輩は、付属の看護学で講義を行っています。将来私も学校で人に教えられるだけの知識や臨床経験を、修得していきたいと思います。
後輩への院内教育もそうですが、将来的には、学会発表出来るように、呼吸器療法の研究もしていきたいと思っています。

 

AMG臨床工学部部長・上尾中央総合病院 臨床工学科 青木智博 科長 (血液浄化係)

AMG臨床工学部部長・上尾中央総合病院 青木 科長

配属前研修はどのような研修があるのでしょうか?

まずは、入職時AMGの全体研修を3日間行います。AMGの医療人としての総合研修です。そのあと、各所属施設での研修を2日間。最後に、臨床工学部として1日間部門研修を行います。そして7日目に各施設での業務となります。(上尾中央総合病院であれば、血液浄化係か呼吸循環係)
コロナ前は、定期的に研修や親睦会をしており、9月に入職1年目を対象に行うリフレッシュ研修は、午前研修、午後はバーベキューなどで、臨床工学技士同士の親睦を深めていました。

上尾中央総合病院ではどのような業務がありますか?

私はAMGの臨床工学部の部長と、上尾中央総合病院の科長の兼任になります。28病院中20病院に臨床工学技士が、299名(男性209名、女性90名)在籍しています。
上尾中央総合病院では、血液浄化係に20名、呼吸循環係には30名が在籍しています。

各施設で診療科も違いますが、当院の臨床工学科では、「血液浄化係」と「呼吸循環係」の2つに分かれます。
血液浄化係は、血液浄化療法業務、アフェレーシス療法業務、シャントPTA補助業務、出張透析業務(病棟への)、医療機器管理業務となります。
呼吸循環係は、血管造影室業務、ペースメーカー業務、人工心肺業務、手術室業務、呼吸療法業務、医療機器管理業務、補助循環業務、Mobile CCU業務、内視鏡業となります。
各部門、ローテーションしませんが、医療機器管理は共通業務となります。

資格取得について何か補助などはありますか?

3年間は実務経験を積んでもらいます。血液浄化係では透析技術認定士、呼吸循環係では体外循環技術認定士を取得してもらいます。認定資格を取得すると給与もベースアップします。人工心肺業務は、上尾中央総合病院、柏厚生総合病院、三郷中央総合病院の3施設だけとなり、各施設によっても業務が違うので、松崎技士の目指す3学会合同呼吸療法認定士など、担当する業務の認定士を対象に評価するような取り組みをしていく予定です。
また、告示研修は、3年以内に全員取得予定です。費用に関しては予算化し各施設で補助しています。

福利厚生等働きやすさはいかがでしょうか?

血液浄化係では完全月10日休みです。2月は18日出勤になります。勤務時間は8~17時となります。有休消化については毎年付与される有休のほとんどを消化できていますので、多い人では20日の有休を消化できています。
現在、血液浄化係では、1人が育休、1人が時短勤務になっています。子どもが小学校に入るまで、時短勤務可能です。

AMGグループとしての強み

消耗品などは、各施設で納入価格を比較してみると、かなり価格差がありましたので、本部グループ一括購入で、経費が抑えています。
グループ内での転勤があり、透析だけではなく臨床工学技士として幅広い業務を行うこともできます。また、グループ間での交流研修棟を行い各施設間での情報共有を図ることにより、一層のレベルアップが期待できます。
これらのことは、グループ病院の大きなメリットだと考えています。

学生さんの志望理由で多いのは何ですか?

特に多いのは、病院規模や様々な症例と、教育ラダーです。
ラダーとは、一般的に看護師の人材育成に使用されていますが、当院では事務職・コメディカルで使用しています。ラダーを使用することによりやるべきことや先々の目標が明確化できることに魅力を感じているようです。

私自身は27年間で、エイトナインクリニックで透析、彩の国東大宮総合病院では、透析のほかに高気圧酸素治療、心カテ、機器管理など、様々な業務に関わり2010年より上尾中央総合病院に就任しました。
臨床工学技士には、色々な業務があり、グループには、診療科の有無や規模の大小によって色んな臨床工学科がありますので、色んな施設を見て回る交流研修や転勤で、グループの色んな施設を見て視野を広げて欲しいですね。

 

取材協力

上尾中央総合病院 臨床工学科
〒362-8588 埼玉県上尾市柏座1-10-10 Tel.048-773-1111(代)
AMG採用情報 (人事部:048-773-1116)