医療業界では、医師や看護師をはじめとして多くの専門家が活躍しています。臨床工学技士も現代医療を支える重要な専門家ですが、他の専門家と比べるとまだ認知度は低いですが、近年では臨床工学技士がメディアに取り上げられ、徐々に関心が高まっています。今回は、臨床工学技士が取り上げられたメディアの紹介と臨床工学技士の重要性について分かりやすく解説します。
ドラマから分かる臨床工学技士
臨床工学技士とは、多くの医療機関で使用される医療機器の安全性を守るため、点検や操作をするスペシャリストです。メディカルスタッフの中では歴史が浅い分認知度も低いですが国家資格であり、現代医療でも人工心肺装置や透析装置などの重要危機を扱っています。2021年7月のTBS系列「日曜劇場」の連続ドラマ『TOKYO MER（トーキョー エムイーアール）～走る緊急救命室～』に登場しており、俳優・佐野勇斗さんが出演したことでネットニュースになっていました。『TOKYO MER～走る緊急救命室～』あらすじ
事故・災害・事件現場へ駆けつけて患者を救命する救急チーム「TOKYO MER」は、医師や看護師、麻酔科医、臨床工学技士などの医療の専門家で構成されている。初回ではバス事故通報を受け、現場へ急行。前代未聞の事故現場でのオペを行う。臨床工学技士が実際に現場へ向かうことはあまりありませんが、重篤患者の救命チームに構成されていることからも臨床工学技士の重要性が伝わります。本作は2023年には映画化も決定しているため、今後も臨床工学技士がメディア進出して認知度が上がっていくことが予想されます。また、本作の前にも『医龍』という有名な医療作品があり、そこでも臨床工学技士が登場していました。臨床工学技士という名称は分からなくても、実はマンガやドラマを通してその役割を知っている方は多いかもしれません。
参考記事：TOKYO MER～走る緊急救命室～：佐野勇斗がメカオタクの臨床工学技士 機械、車の整備が大好き – MANTANWEB（まんたんウェブ） (mantan-web.jp)
現代医療に欠かせない専門家
現代医療で一番の話題といえば、やはり新型コロナウイルスでしょう。感染者に心配な重篤肺炎に対して使われる人工呼吸器や人工肺装置のECMO（エクモ）も、臨床工学技士が扱っています。コロナ禍では重篤な感染者に対してECMOが使用されるようになりましたが、医療がひっ迫したため対応困難となり、2021年8月にはECMOを乗せた「ECMOカー」が連日出勤しているニュースも見られました。ECMOを取り扱う緊急チームは医師や看護師、臨床工学技士らで構成されており、スタッフは全国から派遣されます。コロナ禍が続き、ECMOが注目を浴びたことで臨床工学技士への注目も上がっています。近年では緊急のチーム医療に構成されることもあります。臨床工学技士は今後の医療においても欠かせない存在です。緊急対応をするためにECMOなどの医療機器が必要であっても、適切かつスピーディーに扱える専門家がいなければ十分な対応はできません。重篤患者の対応のためにも専門家人員の確保が必要です。
参考記事：ひっ迫の医療現場、「ECMO」対応しきれず……精鋭「緊急チーム」出動 「ECMOカー」も連日出動（日本テレビ系（NNN）） – Yahoo!ニュース
フリーで活躍する臨床工学技士もいる
臨床工学技士は近年のチーム医療に組み込まれ、病院やクリニックにいるだけでなく緊急時には現場へ派遣されるほど需要が高まっています。医療機器は、診断や治療の必需品なため、医療業界全体が今後医療機器への知識を深めることも大切です。昨今のコロナ禍では十分な研修・教育を行えないため、フリーランスの医療機器の教育サービスを開発する臨床工学技士の活躍も取り上げられています。医療機器の種類は豊富で、私たちの健康を支えるために日々進化しています。現場では扱いに自信がない医療従事者もおり、研修・教育が行き届かない現場に対して医療機器の専門家である臨床工学技士が関わることで、現場の不安を取り除きながらより安全な医療提供が期待できます。
参考記事：フリーの臨床工学技士が医療機器の教育用オンラインサービスを開発するワケ｜ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 (newswitch.jp)
まとめ
医師や看護師と比べると臨床工学技士の認知度高くはありませんが、新型コロナウイルスへの対処のように、人の健康を支えて重篤な病気を改善していくためにも、医療機器は今後も発展していきます。医療機器を安全に扱うために点検・操作する臨床工学技士は、重要な役割をもち、今後も注目される存在です。病院、現場、フリーランスなど活躍の仕方も様々です。医療系のマンガやドラマでも臨床工学技士や医療機器は登場するため、イメージを掴んで目指しましょう。
